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ANAオープンゴルフトーナメント 2005

深堀圭一郎が、コースレコードを更新

輪厚のコースレコードは、82年大会のチャンピオン・鈴木規夫が初めに出した63だった。そのあと、94年にジャンボ尾崎がタイスコアで並んだが23年間、鈴木の記録を破るものはいなかった。

その鈴木はいま、社団法人日本ゴルフツアー機構の理事として、今大会のコースセッティングを担当している。
この日、10アンダーの62をマークした深堀は、2重の意味で鈴木に打ち克ったことになる。

「それが、嬉しいですね。道具の進化や、コースの違いもあるかもしれないけれど、セッティングを破れたこと、それがとても嬉しい」。

ショットはもともと、好調だった。ツアー8勝をあげた8月のサン・クロレラ クラシックのあと、より安定した弾道を求めて、タイガー・ウッズと同じモデルのドライバーを取り寄せた。
460CCのヘッドで「直進性の高い球が打てるようになった」と手ごたえはあった。
加えてこの日2日目、芝の特性にあわせて持ち替えたマレット型のパターが、ハマった。

イーブンパーでスタートしたときは、1日7アンダーが目標だった。
12番で「12歩」のイーグルチャンスをねじこんであっさりとクリアすると、13番で1.5メートル、15番で4メートル、17番では4メートルのバーディチャンスを決めて、金字塔を打ちたてた。

現在、賞金ランキング4位。
今月7日に締め切りだったUSPGAツアーの予選会のエントリーは、時間ギリギリまで悩みに悩んだ。
一応、エントリーだけ済ませておいて、直前にキャンセルする方法もあったが、「賞金王のチャンスがあるから、と言う理由で急に取りやめるのは、なんだか違う気がした」。
そんな生半可な気持ちで後半戦をプレーするのが嫌で、結局、エントリーはしなかった。

これで、ますます目標は定まった。
狙うは、自身初の賞金王の座だ。

大親友の丸山茂樹のように、アメリカに常駐して戦うのがかねてからの夢だったが、37歳を迎えた今は少し違う。
「日本で戦いながら挑戦していく、という手もある」。
賞金王になれば、メジャー出場のチャンスも増えてくる。
憧れのマスターズに行ける可能性も出てくる。
「できるだけオーガスタに近づきたいから」。
その視線の先には、世界の舞台が広がっている。

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