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日本オープンゴルフ選手権 2025
日光で紡がれてきたドラマと今年のコースセッティング
ここ日光カンツリー倶楽部で行われたプロトーナメントは2回ある。
最初は2003年の本大会で、当時35歳の深堀圭一郎(ふかぼり・けいいちろう)が5打差の大逆転。

先週、57歳を迎えたばかりの今は、シニアツアーが主戦場だが、今週は火曜日恒例のチャンピオンズディナーに出席したあと、期間中は中継局NHKの解説をつとめる。
開幕前日から、今年のコースを見て回りながら、「この年になって、タイトルの重みをすごく感じる」と、思いを馳せる。
時は下って、2021年に「日本プロ」が、ここで行われ、韓国の金成玹(キム・ソンヒョン)が接戦を制して、日本ツアーの初優勝を達成。
すぐ米ツアーに挑戦し、今年は二部コーンフェリーツアーでポイントランク8位の成績を収めて、23年以来となるPGAツアーに再昇格。
力を見せており、今週は韓国開催の「Shinhan Donghae Open」以来となる今季2試合目の日本ツアー。日光でのV経験を生かしにやってきた。
ちなみに、21年の「日本プロ」で、1差の2位に敗れた池田勇太(いけだ・ゆうた)は、千葉学芸高校3年生時に、日光での2003年大会で19位の成績をおさめて、ローウェストアマを獲得。
再びの日光開催に、並々ならぬ意欲を見せているそうだ。
例年、最上位者に付与されている全英オープンに加えて、今年は勝者にマスターズの出場権が贈られる。
出場120人(うちアマ11人)のうち、来年のマスターズの権利を持っているのはアダム・スコットだけ。誰もが目の色を変えており、奪い合いは必至だ。
開幕前日の15日に、大会主催の公益財団法人日本ゴルフ協会(JGA)が行った公式会見で、山中博史・大会事業本部本部長と、戸張捷・同ゼネラルプロデューサーが明かしたところによると、現在のグリーンの速さは12フィート、硬さを示すコンパクションは24(山中式)。
初日の雨予報に備えて、現在、コース一丸で、雨だまりを防ぐ処置が施されているそうだ。
ラフの長さは100ミリと成長著しく、重みでかえって寝てしまう芝を、ブロワーで立ち上げるなど、難易度を上げる作業も行われている。
難易度を示す現在のコースレートは、通常営業の74.8ストロークに対して、76.1とすでにハードセッティングだが、昨今の選手の飛距離や実力が向上していることを鑑みて、「優勝スコアは10アンダーは行くのではないか」と、山中氏。
近隣地域では、子熊の出没が報告されているが、子熊が嫌う忌避剤の散布や、飲食エリアで出たゴミの持ち帰りを徹底するなどして、十分な安全対策が実施されている。
開場70年を迎えたコースは、高い松林でセパレートされるが、コースの理解を得て、ちょうど人々の背丈や、視界にかかる木々を大会に合わせて伐採。ギャラリーのみなさまの観戦しやすさにも心を尽くして、開幕の日を迎える。














