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深堀圭一郎が4位タイ浮上

元祖ゴルフの貴公子も、今年47歳を迎える今こそ、迷えるお年頃。揺れる思いを抱えつつ、真夏の芥屋でベテランが優勝争いに加わった。

2日目はボギーなしの67を出しても「内容は、危なげないけど、心が危ない」と苦笑い。ぶれないゲームマネジメントと熟練のアプローチを駆使して、4つのパー5で確実に、バーディを奪いながらも「ピンチは一杯あった」。前半の11番は、バンカーに打ち込んだ2打目が寄せきれず、5メートルをしのいだし、最たるは折り返して1番だ。スプーンで打ったティショットは、はるか隣の6番ホールの方へ。

「台風が、というと表現があれですけれど。枝が落ちていたおかげで振れたし、ロケーションも見えた」と、4番アイアンで大きなスライスをかけて、残り175ヤードをグリーン奥のカラーに運んで、なんとか“2パット”で拾った。

「我慢していると、そのうちいいことがあるというのが今までのパターンで」と、自嘲の笑みで「やれます、と強い気持ちでは言えないが、こういうのを繰り返していると、何か兆しが見えてくるというのが、僕の過去のゴルフで」と、幾度も復活を遂げてきた経験が、今は何より頼みの綱だ。

端正な顔で歯を食いしばり、「最後まで緩めずに、振り抜いていくのが今までの僕のスイング」。しかし、2011年には長く痛みを煩ってきた足の裏にメスを入れた影響で、踏み込みが効かなくなって、かばう打ち方をするうちに、今度は右肘を痛めた。「一時は、手が曲がらなくなるくらいに痛かった」。昨季は賞金ランクも78位にとどまって、いわゆる“第二シード”は死守しても、先を考え手術か、打ち方を変えるか。

室田や藤田。長く第一線で戦う選手の打ち方をお手本に、まずは負担のかからないスイングの模索を始めてまだ間もない。どんなにかばっても、またいつ痛みがぶり返すか。「不安もあるし、いろんな意味で戦っています」。
その中で一番は当然、将来への不安。
若い子に混じって戦い続けるには、これまた当然のことながら、いつかは限界が来る。いかに生き残るか。
妻の晶子さんに言われたのは「体力、技術で劣るなら、知力を鍛えなさい」。
弁も立つし、若いころと変わらぬ爽やかなルックスで「いろいろ、良いお話もいただきますが」。活躍の場がある限りは「1年でも長く、1試合でも多くやりたい」。
3年後には50歳を控えて「シニアツアーもうっすらと見え始めるころ」。漠然といま、頭に描くのは「シニアでは生活のためではなく、楽しくやれる自分でいたいというのが、以前からの目標なので」。
そのためにも、今こそ歯の食いしばりどころなのかもしれない。

そういう意味でも、つい先の米ツアー「ウィンダム選手権」で、51歳のデービス・ラブIIIが通算21勝目をあげたニュースは深堀にも嬉しかった。
「若い子が勝つシーンもいいけれど、カムバックの姿をファンに届けるのもまた、いいものがある。僕も出るからにはそれを目標にやっているし、届く可能性があるのなら、僕もそれに向かって一生懸命にやりたいです」。
次の通算9勝目に向かって、残暑の芥屋をなりふり構わず歩いていく。

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