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宇部興産オープン 2000

◆ 前半は6バーディの30をマーク

深堀圭一郎はあっという間に首位に浮上し、下位を突き放した

 あっという間の逆転だった。
 最終日は、首位と3打差、7位タイからのスタート。
 深堀は、2番でバーディを奪うと、3番、4番でピタピタとピンに寄せると、それぞれ2メートル、1メートルのチャンスパットを沈め、3連続バーディを決めてトップタイに踊り出る。
 勢いに乗って、7番はアプローチウェッジで手前2メートルにつけ、8番パー3は6番アイアンで5メートル。9番はピン横2.5。
 またも3連続バーディを奪い、前半はノーボギーの30をマークしてハーフターン。一挙に下位を突き放した。

 「優勝を意識したのはこのへんから。6つも伸ばせて、自分としても、どうしてもエキサイティングにならざるを得ない状況でしたね。でも、後半は、ピンチも多かったんです」

 10番からは、うってかわって我慢のゴルフが続いた。
 11番でピン横8メートルを奪ったあと、前半の快進撃は、ピタリと止まった。
 12番では、ティショットを左のハザードへ。第2打もハザードに打ちこみ、4打目は 160ヤードを8番アイアンでピン右横10メートルに。これが入って必死のパーセーブ。

 「14番も、昨日、右に打ちこんでダボ打っていたから、打ちにくかったんです。セカンドをピン横20メートルに乗せて2パットでしのぎ、15番はティショットが左バンカー。脱出したラフから第3打をグリーン奥に打ちこんだのを、アプローチで1メートルに寄せ、17番パー3は、グリーン手前にはずしたのを、80センチに寄せてパー。インコースは、落とし場所を決めて、しっかりと打たないといけないところが多いのでギクシャクしてしまうところが多いんですね。でも、そんな中でも最後まで前向きにプレーすることができて、今日は本当に満足しています」

 2位以下に2打差をつけて、やってきた18番パー4。
 しかし、このときまだ深堀は、「高見さんといくつ差があるか、知らなかった」という。「他の人のスコアを意識していたら自分のスコアが作れない」と、プレー中、スコアボードを一度も見なかったのだ。

 6番アイアンでの第2打は、左足下がりのつま先上がり。球が上がりにくく、しかも左に球が出やすい、難しいライだった。
 このショットはキャリーでピンをオーバー。グリーンのカラーまで転がり込んだが、グリーンがすり鉢上に受けているため、傾斜を利用してピン方向に戻ってきた。
 カップまで、6メートル。
 ここでようやく、高見のスコアを確認した深堀。
 2パットでこれを沈め、8月の久光製薬KBCオーガスタ初日以来のノーボギーのラウンドで、今季2勝目をモノにした。

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