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日本オープンゴルフ選手権 2024

岡田晃平が史上4人目の快挙にむけ好位置

プロ3年目の岡田晃平(おかだ・こうへい)は史上4人目の偉業とメジャー切符をかけ、雨の日光を1アンダーの「69」で回り、好発進した。


この日2バーディと、ボギーは右の林の木の根元から打った2打目を木に当て、左真横に飛ばした最後18番のひとつだけ。
「ショットは、ほとんどフェアウェイに行っていない」と、4回だけ。
それでも、奥のラフからナイスボギーでとどまれたのは、事前の調整と綿密に重ねた予習のなせる業。

「人よりも熱量を使って練習ラウンドを行うようにしている」と、今週は特に前週の金曜と、当週の月、火曜日を合わせてたっぷり3ラウンドをプレー。

「日本オープン特有の長いラフに慣れることから始めて、ショットもアプローチもわざとラフに入れて、パターはせずグリーンまわりを徹底的にやった」と、表情にも自信が満ちた。

「事前にデータをしっかりと集めて抜かりないチェックができた。その成果」。

初日からしっかりとスコアにつなげた。
日本開催のPGAツアーが行われた前週の“空き週”は、練習拠点にしている茨城県のイーグルポイントゴルフクラブで特打ち。芝の上から打てる恵まれた環境で、「フェード“過ぎて”いた」というショットを、本番までにしっかり修正。

「充実した練習ができたので、その結果がつながった」と、表情にも確信が満ちた。

今週はメンタルコーチでもある出口(いでぐち)さんがバッグを担ぐ。
「迷いができたときも言い切ってくれるので、気持ちに落ち着きがある」と、難条件にも穏やかに挑める。




「この大会で優勝するために今シーズンを送ってきた。それくらい賭けている」。
今年最大の照準に定めたビッグタイトルに、マスターズの出場権がつくと発表されたのは8月末。
ゴルフ好きのお父さんの影響で、物心つく前からテレビで見て来たメジャー大会が、迫真に迫ったのは2021年。

大学先輩の松山英樹のV時は、ちょうどゴルフ部合宿時。
「雨でスタートが遅れていて、テレビが見られた」。

中継の解説陣も、みな泣き崩れた感動シーンで、部員もみんな泣いていた。
「僕も泣きたかったですけど、スタートが迫っていたので、見てから急いでダッシュで行って…」と、偉業の瞬間は今も脳裏に。
「そういうお手本、目標がある。マスターズには強い思い入れがある。ここで勝つことに価値がある」。

本大会は、初出場した21年から3年連続アマで出て、初日に1位を記録した23年には結果18位でローウェストアマを獲得。
22年には、JGA主催の「日本アマ」で優勝しており、本オープンも勝てれば、赤星六郎(日本アマ1930年・本大会1927年)、中嶋常幸(日本アマ1973年・本大会85、86、90、91年)、金庚泰(日本アマ2005、06・本大会10年)に続く史上4人目の快挙が達成される。

さらに23歳243日(8ヶ月1日)での達成となれば、2010年金庚泰が記録した24歳45日(1ヶ月15日)を更新し、最年少2冠記録達成のおまけつきだ。


初日は日没と霧による視界不良のため競技サスペンデッドとなり全組がホールアウトできず、暫定となってしまったが3位タイスタート。
プロとして初出場の今年、こだわりのビッグタイトルもにらめる好発進を果たした。
「もちろん、難しい時も絶対に来る。そういうときに最善の選択をして、目の前のことをきっちりこなしてやっていきたい」。
意欲はあるが、浮かれていない。


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