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Shinhan Donghae Open 2022

木下稜介「このドライバーで優勝したい」形見を手に、教え子の前で急浮上

教え子たちの応援を背に、急浮上だ。
プロ8年目の木下稜介(きのした・りょうすけ)が2日目に「65」。

通算9アンダーまで伸ばして初日の34位タイからリーダーボードに載ってきた。


地元奈良県出身。
午後スタートの前日初日は世界遺産・法隆寺そばの実家から通ったが、「50分くらいかかるし実家からは一本道。通行止めがあったりすると困るので」。

朝7時のティオフに合わせて2日目からコース近隣の三重県名張市に宿泊。
結局、雨でスタートが90分も遅れたため、ちょっぴり損した感でも地の利はしっかり生かした。


スタートの10番ではボギーが先行。「15番でもまたボギーで躓いて、フラストレーションがたまった。くじけそうになったがなんとかいいプレーができた」と、その後16番から折り返しの1番まで4連続バーディ。


「応援にきてくれて、すごい力になった」と、感謝を伝えたのは地元「奈良県ジュニアゴルフスクール」の生徒さんたちだ。

自身も小学時代に一期生として学び、現在は低学年から中学生の30人余が在籍する。


プロ転向後は、同じ奈良出身の谷口徹をサポートする形で冬のレッスン会に参加する程度だったが、「自分が経験したことを伝えられたら嬉しい」と、昨冬から正式に講師に就任。


駆けつけた教え子たちの前で、上がり3連続バーディもばっちり決まり、「いいところを見せたかったので。その思いが後半につながった」と、明かし「週末は、もっと来てくれると思う。優勝する姿を見せられたら」と、気合いが入った。


恩人の形見を手に、いま上り調子だ。
先々週から使い始めた1Wは昨年始、亡くなられたクラブクラフトマンさんが3年前に作ってくれたもの。

当時は「ヘッドスピードも今よりなく、スピン量が足りなくてドロップしていた」と、使いこなせなかったが、技術もパワーもついた今では「キャリーも5から10ヤードは伸びて、曲がり幅も減った。特にアゲンストでは」と、ぴたりとハマり、先週はツアー最長コースでV争いの末に今季3度目の5位タイに。


「僕のことをいちばんわかって信頼していた方。今になって思うと、こうなることも分かってくれていたのかな…」と、改めて在りし日をしのび、「このドライバーを使って優勝したい」。
日本初開催の3共催試合で、地元Vを捧げたい人たちがたくさんいる。



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