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長嶋茂雄INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2019

投球と蹴球だけ左。開幕前に見せた賞金王の異端ぶり

1カ月半ぶりに、開幕した男子ゴルフは「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ」からリスタート。久しぶりに味わうツアー会場の空気を選手たちも堪能している。

開幕前日の21日水曜日はプロアマ戦で、スポンサーと開催15周年をお祝いしたあと若い選手らが、嬉々として向かった先は会場の駐車場横の広場に設置されたセガサミーのアミューズメントコーナー。

UFOキャッチャーやパターゲームなど、ずらりと並ぶ最新のバーチャル遊戯のなかでも、賞金王が熱中したのが電動式のダーツゲーム。
その際に、今平周吾が握りしめた矢で狙い澄ました手はなぜか左だった。
本業のゴルフは右である。
そのほか「お箸も鉛筆も、普段の生活も全部右です」。
しかしボールを投げたり、蹴ったりするのだけは左だそうで、「…なんで? なんででしょう…。なぜかそれだけは左なんです」。

幼少期に親御さんに右利きに矯正してもらった名残とか、意図的な理由がないかと探ってみたが、「う〜ん…。わかんないんですけど。投げるのと蹴るのだけはなぜか左で」と、いつものように言葉少なに繰り返すばかり。

生来は右利きの片山晋呉が左利きで食べたり書いたり、練習場では実際に打ったりしてゴルフの感性を高める訓練法は、会場でも見かける光景だが今平の場合はどうやら天然らしい。
そんな生まれ持った器用さも、昨季の頂点を極めた要因のひとつであるのだろう。

開幕直前のひと時を仲間と満喫したら、いざ出陣。
男子ゴルフはここから年末までノンストップ。日本初開催の米ツアー「ZOZO選手権」を含む16連戦に挑む。

物静かな賞金王とて、女子ゴルフに巻き起こった”シブコさんフィーバー”には、心穏やかではいられなかった。
せめて白熱のプレーで対抗しようにも、「僕らは試合がないし、すごく残念な気がしました。ますます女子において行かれるようで、焦りもあった」という。

「やはり盛り上げるにはメジャーで勝つとか、大きな試合で優勝すること」。
そう痛感しただけに、今季初のフル参戦を果たしながら今年もどれひとつとして海外メジャーの決勝ラウンドを踏めなかったことにも悔しさが募る。
「これから日本の試合で晴らしたい」。

昨季はわずか1勝のキング獲りだったがタイトル防衛がかかる今年も、現在ランク2位につけながら、まだ未勝利。
「出来るだけ多く優勝争いして早く勝ちたい」。
長かった夏休みも「毎日ゴルフ漬け」。
2015年の初出場から毎年V争いしながら、まだ勝てないのが今週の「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ」である。
悲願の優勝へ。因縁の再開初戦で、さっそく夏休みの成果を出したい。

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