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日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2019

石川遼は痛みもなく初日の完走に安堵

1カ月ぶりに戻った復帰初戦の初日は「73」。2オーバーは62位と出遅れたが石川は、「全く問題ない。痛みもない。今日が終わってほっとしたのが正直な気持ち」。
まずは、18ホールを完走して安堵した。

今季初戦を迎えた令和最初の中日クラウンズで、初日に腰痛を再発。2日目スタート前に棄権をした。
「痛めてからブランクが空いたという苦い経験。もうああいう思いはしたくない」と、慎重だった。
1番ホールは待ちわびたギャラリーの大歓声を浴びたが「だいぶ緊張しました。ひどいプレーになるのかなという気持ち」と、不安の中でも最初のホールでパーを拾うと、2番でバーディ先行。2アンダーで折り返して精一杯、復帰をアピールした。

後半は4つのボギーが続いて2オーバーまで落としたものの「今まで結果が出せていないコースで、今日のプレーは悪くないのかな」。

復帰初戦で、新戦略も披露した。
大会は過去6度の出場で、予選通過はわずかに2度。
「この試合に出ると決めたときからどうやって攻略しようかな、と。攻め方やマネジメント。コースについて、長く考える時間があった」。
休んだ時間を策に当ててきた。

ここ宍戸は、ティショットで多彩な球筋を要求されるが、「僕の持ち球はドロー。ドライバーでいろんな球を打つというのができないのでそこは一辺倒」。
そのため、ティショットの打ちづらさが苦手の一因だったが「今までは、そこを無理やりドライバーで打ってきた。今回はそれをやめました」と、この日はティショットでアイアンを多用。積極的に刻みを取り入れた。

注目のスタートホール。復帰最初の1打でさっそく2Iを握り、低く抑えた球で攻めた。
15番では2I→6I→PWと、アイアンだけでショットをつないで「ああいう攻め方をしたのは生まれて初めて」。

588ヤードと距離があり、右に曲がる6番パー5では、「地面から、打ってしまったほうがフェードは楽」と、1Wをティアップしないで打つ「直ドラ」を採用。工夫を重ねて克服に懸命だった。

「意外とコースは受け入れてくれたと思う」。
復帰初戦の初日に手ごたえはあったが「今日は晴れて地面が硬かったのが、幸いでしたけど、これで雨が降ったら万事休す。どうしたらいんですかね?」。
距離が稼げなくなる翌2日目の雨予報には、また別の課題が突きつけられそうだが、表情は明るい。
「こういうコースがあるからこそ、モチベーションも上がるし準備もできた。そういう意味ではコースに感謝しなければいけません。まだあきらめる位置ではない」。
初日の完走に力を得て、2日目の巻き返しに思いを込めた。

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