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ダンロップフェニックストーナメント 2016

ジャンボ尾崎が今季最終戦

ジャンボ尾崎が、2016年度の自身の“最終戦”を終えた。最下位からスタートした2日目は、ついに18ホールを完走できずに、アウトの9ホールで“我が庭”を降りてきた。

ここフェニックスカントリークラブは96年に3連覇を達成した。60代最後の試合になった。思い入れのある大会でもやっぱり今季9度目の途中棄権をするしかなかった。

「歩かなければ大丈夫なんだ」と、ロッカーの隅のソファによろよろと腰を下ろしたジャンボは、ため息をついた。
「10年前に発症した腰椎の狭窄からくる神経圧迫の症状がずっと続いている」と、苦しそうにつぶやいた。
「数百歩歩くと痛くなるから。思うようなトレーニングもできないまま、下半身は衰える一方。足からの力がなくなって、腰に負担がかかっている」。

ただ、練習場で球を打つ分には、何の問題もなく思える。
「だから、つい試合に行ってみようかな、という気になっちゃう」。そして、そのギャップに苦しむ。その繰り返し。
冗談交じりにこぼした。
「練習場の姿と、コースの姿が“別人28号”になっちゃうから。やってても、つまんない」と思案顔になった。
今季12試合に出て、また一度も予選通過ができないまま終わった。
70歳で迎える来シーズンは「重大な局面を迎えている」と、厳しい顔になった。

「今年のオフも4ヶ月、3月いっぱいまで自分なりに頑張ってやってきた」。
だが、前回の予選通過は初日に62を出して、ツアー史上初のエージシュートを記録した2013年のつるやオープン。
4年近くも決勝ラウンドに進めていない状況では「どうすればいいんだ」と、ツアー通算94勝のレジェンドがとうとう行き詰まっている。
「重大な局面を迎えている」ともう一度、繰り返した。
「オフにゆっくり考える」と、宮崎を去った。

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