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ジャンボさんの年少記録のはるか上を行った石川遼「ひとつ教えると黙々と…」見抜いた素質

ツアー制度施行元年の1973年に、26歳で史上最年少の賞金王に輝いたジャンボ尾崎さん。
その36年後、大記録を破るものがすい星のように現れた。

2009年に、18歳の若さで王座に就いた石川遼(いしかわ・りょう)だ。


2013年のカシオワールドオープンにて


その2年前、2007年に石川が15歳でツアー優勝を飾ったときから、「いつかは賞金王になる逸材」と、ジャンボさんが予言していた通りの戴冠だった。
石川が、ジャンボ邸に初めて顔を見せたのは、プロ転向の直前。わずかな時間でジャンボさんは直感していた。

「身体能力、吸収力の高さ、ゴルフに対する感性の良さ、気持ちの前向きさ…。どれを取っても一流の素材を持っている」。
また、それ以上にジャンボさんがほれ込んだのは石川の素直さとひたむきさだった。

「ひとつ教えると黙々と練習し、もういいんじゃないか、というまでやっている。集中力も素晴らしい」と絶賛しながら、18歳という若さで自分のはるか上を行った石川には、「予想以上のところまで行った」と、嬉しそうに目を剥いた。

同時にその年、石川と共に賞金レースを競った池田勇太を高く評価。
「あいつもよく頑張った」と目を細めて「ゴルフ界に待ちに待った2人が出てきた」と、言った。

若い力と素質を見抜くジャンボさんの鑑識眼にも狂いはなかった。
それは男子ゴルフにとどまらず、教え子から逸材が次々と誕生している女子ゴルフでも証明されている。
晩年は、特に後進の指導にも手腕を発揮した。
ジャンボさんが次世代に伝え続けてきたものは計り知れない。


石川遼の追悼コメント
「尾崎将司さんのご逝去を悼み、心よりご冥福をお祈り申し上げます。ジャンボさんには数えきれないほど多くのことを教えていただきました。

冬の間、何度もジャンボさんの練習場にお邪魔しトレーニングをさせていただいた日々は、今も鮮明に心に残っています。
ゴルフの練習に入る前、まず身体の使い方を覚えるために、野球のピッチングの練習を1週間みっちりと教えてくださいました。『いつゴルフボールを打てるのだろうか』と思いながらも、その全てがゴルフに繋がっていることを後になって深く理解しました。

アイアンの練習では、同じトップの位置からダウンスイングだけでドローとフェードを打ち分ける練習を教えていただき、私がトップに上げた瞬間にジャンボさんが『フェード』『ドロー』と指示を出し、その場で打ち分けるという緊張感のあるトレーニングの日々を15年以上が経った今でもきのうのことのように覚えています。

また、私がなかなか良い成績を出せずに悩んでいる時には「いいぞいいぞ、もっと悩め。もっと深く悩め」と声をかけていただきました。
それはきっとジャンボさん自身が苦労された時に重ねて、自分で考えて自分で殻を破ることが本質的に人間を強くするんだというメッセージだと受け取っています。

ジャンボさんから教わったこと、背中で示してくださったことは、今も私のゴルフの根幹として生き続けています。心からの感謝と敬意を込めて、安らかなご永眠をお祈り致します」


60回目の中日クラウンズでは、石川とまだアマチュアの金谷が同組でした



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