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アジアパシフィック ダイヤモンドカップゴルフ 2015

勝ってみなさまのお役に立ちたい、谷原秀人が3位に

午後から小やみも、谷原が出た午前は、土砂降り。「雨で寒いし、遠いし、曲がるし」と三重苦の中で、どうにか3つ伸ばして上がってきた。

ぬかるんだ地面には「ドライバーも飛ばないし。アイアンも、2クラブくらいは飛んでなかった」。グリーンも前日までとはコンディションがうってかわって、「ラインが全然分からなかった」。しとどに濡れるグリーン上に、前の組の選手がプレーした痕跡が残っていないか。ラインを読みとく手がかりがないか、目をこらしても、曇天模様も手伝って辺りは暗くて「全然見えない」。

難条件を承知で「今日はイーブンパーで回れればと思っていたから。もう少し伸ばせる要素はあったけれど」。これ以上は欲張らない。

ホールアウト後は、すぐにその足で、開催コースの地元茨城県の常総市で起こった水害のためのチャリティーイベントに向かった。
社会貢献活動は、谷原にとってもはや、ライフワークである。ジュニア育成や、障害者の福祉事業支援を目的とした一般財団法人「「Green Seed Foundation(グリーンシードファウンデーション)」を設立。
また、毎夏には地元広島県で、自身の名を冠したジュニア大会も開催している。
つい先頃には、集まったお金で故郷に車いす用の福祉車両を寄贈したばかりだ。
「微力ながら地道にちょこちょこやり続けて、どうにか形になってきました」と、ようやく軌道に乗ってきたからこそ思うのが、「もっと力のある選手がやっていかないとダメだと思う。みんなで力を合わせて、社会に役立つことをやっていかなくちゃ」。
このたびの水害についても課題を持ち帰り、自らの財団でも会議の議題に挙げるつもりだ。
「何か、僕にもお役に立つことが出来れば」。昨年からタイトル名こそ変わったが、大会前身の「アジアパシフィック パナソニックオープン」は、絢香夫人との新婚初Vを飾った嬉し恥ずかし思い出の大会で再び勝って、ますますみなさんのお役に立ちたい谷原だ。

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