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コカ・コーラ東海クラシック 2012

平塚哲二は「酔拳」で5位タイ

球筋も、ふらふらと定まらない。初日は三好をドローで攻めた。2位タイの好発進に味をしめたが翌2日目は「チーピンとかプッシュアウトばっかり」。これに懲りて、考え直した。
「やっぱりフェードがいいんかな、と。もうまったくの思いつきです」と、ガハハと笑った。

気まぐれの戦略は、ひとまず功を奏した。
「意外とまっすぐいったので。なんとか1日持ちました」と、4アンダーは68をマークして、最終日を前に2打差の5位に詰め寄った。

首の痛みの影響で、絶不調の今季は「スイングうんぬんかんぬんよりも、まっすぐ行かすことに必死で。もしまた曲がったら、ドローに戻します」と、なりふり構わぬプレーが続く。
しかもこの日は球筋だけではない。
「体もふらふら」。

前夜は、あまりに疲れていたので生まれて初めて酸素カプセルを体験した。
しかし、特に効果も感じられないまま無理を押して、街に出た。

スポンサーの社長の誕生日パーティは、プロゴルファーにとって大切な仕事のうちだ。
ツアーきっての酒豪は率先して盛り上げた。
お祝いのシャンパンを、次々と空けた。
20時から始まった酒宴は、どうにか0時に抜け出したが、あまりの酒量に「朝もふらふら。今日は“酔拳”で行こう」となぞらえた、中国武術の一種はまるで酔っ払いのしぐさで相手を油断させるのが第一の目的だが、平塚の場合は正真正銘の二日酔い。

40歳。「35歳ころまでは、スタートの1時間前まで呑んでいた」と、もうそれほどの無茶は出来なくなったとはいうが、「ゴルフは仕事。酒は憂さ晴らし」という平塚には、酒を断つなど考えられない。
「呑まないと気が狂う」と、今日も一升瓶片手に、夜の街で仲間とわいわい弾けまくる。
「でも本当は、優勝して一人でこっそりキューっといっぱい。そういう酒が大好きです」。
最終日こそ、自分のための祝杯だ!

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