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ダンロップフェニックストーナメント 2011

谷原秀人が首位タイに

大会直前の16日水曜日に、33歳の誕生日を迎えたばかり。前夜は、大学の後輩の谷口拓也ら、気の置けない仲間たちに祝ってもらった。「隠し芸とかいろいろ披露してくれて。腹を抱えて笑った」と、上機嫌で迎えた大会初日は、「久々にノーボギーで回れたのも満足」と、自ら祝いの66。

インスタートの後半は、5番からの3連続を含む5バーディに、感謝の思いも深くなる。今季、自ら積極的に教えを乞うジャンボ尾崎から、2週前に唐突に言われた。
「しばらくドローを打て」。

持ち球のフェードに、近ごろは精彩を欠いて、「フェアウェイに行かない。グリーンに行かない」と、苦しんでいた。
見かねたジャンボが、言った。
「ドローを打て。そしたら、いいフェードも打てる」。
素直に頷いたは良かったが、「これまでは左に出していたのに、右に出す打ち方」。いきなり180度の転換も、2週前のオープンウィークは徹底的に打ち込んだ。
「本当に、朝から晩まで打った。最後は、握力がなくなるくらいに」。
せっかく久しぶりのお休みも、8月29日に生まれたばかりの長男・悠人くんと、ゆっくり遊ぶ暇もない。
「自分のことで精一杯で余裕がない。12月のオフになったら、ちょこちょこ可愛がろうかな」と、子守りも返上で取り組んだ甲斐はあった。

持病の背筋痛も「ドローで打つようになったら、痛みも減ったし、ミスしても幅に行ってる。ラフにはある」。難しいここフェニックスカントリークラブでこの日は特に大きなミスもなく、ボギーなしで回って来られたのもそのおかげ。

また、その“師匠”のこの日のスコアを見れば、なおさら気合も入る。イーブンパーで回ってきたジャンボは実は背中の骨の一部を骨折しており、「痛いから、調べてみたら、折れてたよ、だって!! あのおじさんは本当に凄い。あの人は、本当に良くやるよ」。
64歳の恩人の活躍に、燃えないわけにはいかない。

また先週は、開幕直前にアドバイスした途端に優勝した大学の後輩にも負けられない。「本当に、あいつ教えた途端にすぐに勝ちやがって。俺が勝ちたい」と、史上3人目のアマチュアVの“請負人”も、東北福祉大2年の松山英樹さんにあやかって、さっそく節目のツアー通算10勝目といきたい。

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