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キヤノンオープン 2010

ジャンボ尾崎は「これが優勝の拍手なら最高だ」

歴史的快挙が伝えられた翌7日(木)の大会初日はキヤノンオープンの会場の戸塚カントリー倶楽部も、朝からお祝いムードに包まれた。

クラブハウスのドアをくぐるなり、居合わせたスタッフや関係者から祝福の拍手。
歩く先々で、ギャラリーから拍手を浴び、スタートの10番でも、鳴り止まぬ拍手の中で、コースに出ていった。

ホールアウト後には、大会主催のキヤノンマーケティングジャパン(株)の松阪喜幸・コミュニケーション本部長と、キヤノン(株)の吉岡典彦・コーポレートコミュニケーションセンター宣伝部部長より、記念の写真パネルが贈られた。

偶然にも今大会の開幕前日は6日(水)に、ジャンボの世界ゴルフ殿堂入りが伝えられた。そのことをことのほか喜んだ主催者が、心からの祝福の気持ちを表した。

クラブハウスのレストランに通じる階段は、ちょうどテラス風になっている。記念パネルの贈呈式で、眼下にファンの無数の笑顔が見えた。

「照れちゃうよ」と、ジャンボ。
「今日は恥ずかしくなるくらい拍手を浴びたから」と、日焼けした頬が笑顔でくしゃくしゃに。
「頭なんか、本当は下げたくないのに、今日は首から下だけ米つきバッタ」と、あまのじゃくで、ちょっぴりレトロなジョークで照れ隠し。

しかしすぐに、しみじみとした顔になり、「ファンの人に、喜んでもらえることが嬉しいね」と、笑み崩れた。

だからこそ、初日の2オーバースタートが歯がゆい。
今週こそ通算114勝目をにらみ、「どうやったら勝てるか」とその策だけで頭をいっぱいにして、会場入りしただけに、前半14番からの3連続ボギーはなおさら、いただけない。
61位タイ発進もとうてい、納得出来ない。
「練習ではけっこういい感じでやれるんだけど、なんでコースに入ったら力(りき)みが出たり、変化が出てしまうのか。何でもないことが、何でもないミスになる」と、反省しきり。

朝から浴びた拍手の嵐は、最終日にこそ聞いてみたい。
「あれが優勝したあとの拍手なら最高だよな!」。
63歳が貪欲だ。

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