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住建産業オープン広島 2001

「ほんと、みんなの力なんです」

深堀圭一郎の連覇をアシストした人々

 深堀が、劇的3連続バーディを決めて、本戦をホールアウトしてくると、グリーンそばに、仲間の久保谷健一が待っていてくれた。
 冷たい水を差し出して、「ジャンボさんは冷えきってる! 圭ちゃんが有利だよ」と励ましてくれた。

 深堀の4組前でホールアウトした尾崎は、約40分以上を、クラブハウスの中で過ごした。
 冷房の効いたレストランのテレビモニターで、深堀ら後続組の様子を見守っていたのだ。
 そのとき、2位以下と2打差の首位。ジャンボには、ほとんど「勝った」という確信もあったに違いない。

 それが、まさかの3連続バーディで、覆された。
 心身ともに、すっかりクールダウンしたあと、プレーオフに挑む尾崎より、たったいま上がったばかりで、興奮状態にある深堀のほうに分があると、久保谷は言ってくれたのだ。
 「久保谷は、“ジャンボさんはまだ、準備ができていないから、一息いれてください”って水を渡してくれて…。なんだかすごく心強かったですね」

 振り返れば、今回も、さまざまな人たちの後押しがあった。
 前日の夜10時半ごろ、かかってきた電話。その日の対巨人戦で生まれて始めてのサヨナラ満塁ホームランを打ってチームを5対1の勝利に導いた、プロ野球・横浜ベイスターズの谷繁元信捕手からだった。
 『明日は圭さんにも、絶対、運があるよ、頑張って!!』
 「谷繁君はいつもガッツがあって、元気をくれる友達。すごく勇気づけられましたね」(深堀)

 そのほか、今年から体のケアをしてもらっている山本忠夫トレーナーには、
 「先生のおかげで、連戦が続いても4日間、常に同じコンディションで戦えるようになった」と感謝する。

 今季から契約を結ぶ、ナイキスタッフにも「いつも、すごく良くしてくれてありがたい」と礼を述べた。特に、3年契約で使用契約を結んだ同社のボール「アキュラシーTW」は、「縦横どちらの距離感もばっちり。パーオン率も上がりました」と話す。

 また、中学時代の家庭教師・隅川通治さんは、大会が中止になった2日目に食事を共して、心を和ませてくれた。

 専属キャディの柿沼基介さんは、「今年も、一緒にジャンボさんを倒しましょう」と力強く言って、八本松での連覇をアシストしてくれた。

 そして、深堀のご両親、孝さんと光代さん。
 この日18ホールついてくれた2人の前で、初めて優勝シーンを見せられた。
 「この優勝は、ほんと、みんなの力なんです…」と話すや、勝負に燃えた厳しい男の顔は、一転、優しい笑顔に変わった。

  • キャディの柿沼さんは、テレビインタビューに臨む深堀のかわりに、スタンドにこの日の使用球を投げ込んで、ギャラリーサービス

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