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マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント 2023

鮮烈デビューから1年。蟬川泰果の悔恨とこれから

蟬川泰果(せみかわ・たいが)が地元近くの加東市役所でプロ宣言したのは今からちょうど1年前だった。

デビュー戦も、自宅から車でわずか20分の本大会を選んで大きな注目を集めた。


タイガとエビシー


以後、トップ10は8回記録。
今年に入って2位は3回、3位が1回。
4月の「関西オープン」ではプロアマ通算3勝目も飾った。


“ルーキー”としては申し分ない。


でも、プロ転向直前に達成した史上初のアマ2勝の大きさと、比べてしまうのも仕方ない。

「なかなか、うまくいっていないな、という感じ」。


その最たる原因を、お父さんの佳明さんが指摘してくれたのは2週前。
「ZOZOチャンピオンシップ」の時だったという。


「暗いな、と。外からの見え方で落ち込んでいる、と。やっぱり、親は生まれてからずっと自分を見てくれている」。

お父さんの言葉は重かった。


「プロになってから考え過ぎた。ミスを許せなくなって、一人でピンと張り詰めていた」などと思い当たる節がある。

メンタルコーチにも、「ミスしてもおおらかに、ガッツを出してもいいんじゃないか」と、勧められたのはプロ転向以前の自分。

「負けん気と、強い気持ちを出していこうかなと思います」。

タイガが、自身のプロ出発点で原点に立ち返る。


「ミスしたときに、いかにポジティブに考えられるか。苦しい思いをしたら、何かいいことあるっしょ、と。そういう考え方ができるように」と、本来の自分を呼び覚ますのが当面の課題だ。

「夢はまだまだ先の、高いところにある」。
タイガ伝説は、まだまだこれから。

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