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今年2度目の宮崎合宿も最終日(2月12日)

野地さんからふいの質問にもひるまず応える。金谷さん
廣戸聡一先生の指導によるトレーニング実習や、フェニックスカントリークラブでのラウンド実習。早朝から夜8時まで、休む間もない。1日中、たっぷりと身体を動かすこのJGTO主催の宮崎合宿「JGTOゴルフ強化セミナーin宮崎フェニックス・シーガイア・リゾート」では、レジェンドによる特別講師を招いた特別授業など、ゴルフ技術の習得に特化した内容だけでなく、社会人として特に若い選手たちの豊かな人間形成も目指している。

1回につき5日間、計3回にわたるこの強化セミナーは、今月8日から行われたのが今年2回目。その2日目の9日には、シニアの髙橋勝成を招いた今回は、JGTO顧問弁護士の中野辰久氏や、スポーツジャーナリストの島村俊治氏らこの合宿ではお馴染みの講師陣に加えて今回は、日本高等学校ゴルフ連盟の橋田源太郎理事や、NHKのシニアアナウンサーで、スポーツ取材歴30年のベテラン、野地俊二氏による練習場での青空講義で参加者たちは“模擬会見”を体験した。

先週の「レオパレス21ミャンマーオープン」に挑戦した高校2年生の金谷拓実さん(広島国際学院)と、岡崎錬さん(福井工業大付属福井)も、海外のプロツアーに出場したその足で宮崎に駆けつけ、野地氏による“模擬取材”を受けた。

昨年10月の日本オープンの中継局は、やはりNHKのアナウンサーから、たびたびマイクを向けられ、金谷さんには慣れている?!「ローアマが獲れて嬉しかったです」と、当時の心境を改めて野地氏に打ち明けて、「日本オープンのローアマには今、トッププロとして活躍されている選手がたくさんいますが、僕もそれに続いていきたいと思います」と、今後の展望を語った。

「普段はどういう高校生なんですか?」との野地さんのふいの問いかけにも、落ち着き払って「温和しい高校生だと思います」と、はにかんだ。
「飾らず、自分の思うことを素直に話すのが一番良い」と、参加者たちに訴えた野地さんは、米ツアーの衛星中継を長く勤めてこられた経験を踏まえた上で、「いま世界ランク1位のジョーダン・スピースについて「ゴルフだけではなくコース外でのマナーも良いし、メディアとの接し方、対応も素晴らしくて。今の米ツアーにはそういう選手が増えてきている。みなさんも、インタビューに呼ばれるときは、世間に知ってもらう良いチャンスをととらえて、いつ取材を受けても良いように、日頃から自分のゴルフを分析したり、目標や夢を考えて準備しておくことも大切」と、選手たちに説いた。

またジャック・ニクラウスの最後の優勝シーンを振り返り、「メディアのみなさんにはまた来週も会えるが、今日この地で会ったファンのみなさんとはこれが最後になるかもしれない。ファンサービスを優先させて欲しい」と報道陣に断った上で、陽が暮れるまでサインを続けたエピソードを披露して、「自分のイメージをどう売っていくか。自分は世の中にどう見られたいのか。今日を機会に考えてみて欲しい」。

岡崎さんも、野地さんのそんな要望に応えて「東京オリンピックに出たい。これからもっと身体を大きくして、世界のメジャーで戦えるような選手になりたい」と模擬会見で、目を輝かせた。

「ショットはあまり上手くないが、パットとアプローチでカバーしていくタイプ」と、自らを分析して野地さんに、「…ショットが上手くないのはまずいですよね」と、わざとちょっぴり意地悪な模擬質問にもひるむことなく「そうですね、いまドライバーが曲がっているので、それが課題です」と、明るく応えて褒められていた岡崎さん。

これからますます成長して、表舞台に立つことが増えていくにつれて、時と場合によっては聞かれなくないこと、言いたくないことを質問される機会もあるだろう。そんなとき、この日の青空講義が若い2人の役に立つことを願う。

今年2回目の宮崎合宿も、12日に最終日を迎えて、閉幕式では試合形式で行われたフェニックスカントリークラブでの、実習ラウンドの表彰式が行われた。
みごと優勝を飾った22歳の川上優大(ゆうた)は、前日の野地さんの講義を生かしてさっそく“優勝スピーチ”。
「この合宿で学んだ身体の動かし方のイメージをプレーに取り入れ、非常に良い状態でラウンドすることが出来ました!」。
また、アマチュア部門でトップに立った名古屋西陵高校1年生の青山晃大(こうだい)さんは「このような合宿に参加させていただきありがとうございました!」。

そして、今回は特別にこの合宿の総責任者で、JGTO理事の鈴木規夫が期間中にもっとも印象に残った選手を選ぶ「規夫賞」には、堀川未来夢(ほりかわみくむ)。
日大の先輩の片山晋呉も惚れ込んだのは、なんといっても笑顔と、明るさ。「一番言うことを聞かないのも堀川だったけど、ムードメーカーになってくれた。この場を良い雰囲気にしてくれた」と、鈴木に労われて堀川も恐縮しきりで「半信半疑ながら、今年初めて参加させていただいて、納得できる部分が多くあったので。この合宿で学んだことを生かしてまた今年、改めてツアーで頑張りたいと思います!」。
スタッフはみな、嬉しいV報告を待っている。
  • 日本高等学校ゴルフ連盟の橋田源太郎理事の特別講義は「教育と強化」
  • 優勝した川上には、和牛日本一の宮崎牛が贈られた!
  • アマトップの青山さんには、宮崎名産のきんかんが

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