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日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2015

深堀圭一郎が、男同士の裸のつきあい

46歳のベテランは、2アンダーの8位タイにも「話せるようなことはまだ・・・。まだ試行錯誤の塊なんで」。すっかり慣れ親しんだはずの宍戸も、おそるおそる回ってきた。
「ここはもともとのセッティングだけでも難しいのに」。初日からさっそく風が吹いて「18番も、2打目に急に変わって迷った」と、2メートル半のパーパットをしのいで、思わず安堵。

前半の2番では、3打目のOBに、いきなり万事休すかと案じたが、「グリーンの奥からチップインボギーのラックもあって。そこから上手く戻ってきた」と序盤からヒヤヒヤのラウンドは「今日はもうくたくたで・・・。明日のスタートまでに、このくたくたがどれほど回復するか」と、自嘲の笑みを浮かべた。「でもその中でも、少しはいいとこ持ってる。2アンダーは上出来ですね」と、プロ23年のプライドをにじませた。

2011年は、長く痛みを煩ってきた足の裏にメスを入れ、その傷もようやく癒えたと思ったら、今度は右肘を痛めた影響で、昨年は賞金ランクも78位にとどまった。

ツアー通算8勝の雄も、昨季から新たなシード権制度として、賞金ランキングの上位60人からの15人に与えられる、いわゆる第二シードでシード権を死守しても「ぎりぎり引っかかっただけで。これは、思い切り変えてやってよう、と」。

これまでは、痛み止めの薬でだましだましやってきたゴルフも、「これから先のことを考えてやっている。道具を変えて、打ち方を変えて、肘に負担のかからない方法を」と、手を代え品を代えて取り組み始めたところだ。

「アイアンは、シャフトを柔らかくして、ボールも柔らかいのに変えて、インパクトを強くしないように」。それこそ歯を食いしばり、ファンを魅了したど根性丸出しのスイングの路線変更も、「少しでも上向きになることを考えながらやっている」。

ここ4年ほどのマイブームは全国各地のスーパー銭湯で、ミストサウナに入り、そのあと水風呂を浴びるコースだ。「今日一緒に回った薗田とか。仲間同士でどこのサウナが良いとか、情報をシェアして裸のつきあいやってます」。疲れた体も癒やされる。

先週は、誕生日も同じ10月の同い年の手嶋多一が、ミズノオープンで29年ぶりのホストVを喜んだ。「お互いにケツをたたき合いながら、頑張ってきた」。この日初日も手嶋が後ろの組で、その視線を意識しながら踏ん張った。「色々と取り組んでいる中で、今は我慢のとき。その中で、自分も数字が出始めてくれるといいですね」。実践での結果こそ、何よりの薬になる。

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