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深堀圭一郎サンドセーブ率賞受賞

ふいに、戦う男の顔になって宣戦布告だ。
「でも来年は、僕らもそう簡単に石川くんには勝たせない。いつまでも、谷口くんと片山くんだけには任せておけない!」。
年頭に、初の会長職に就いたときに心に決めた。
「偉大な先輩たちがここまで築いてくださったものは、必ず守る」。
しかし実際の会長職は、そんな理想を吹き飛ばすほどに多忙を極めた。
オフはコースを離れるやスーツに着替え、財界人を訪ねて回った。
思いのほか温かい声をかけていただくことも多かった一方で、辛らつな言葉も浴びせられた。
折りしも、石川くんというスターの誕生が世間を賑わせたが、「だからといって、男子ゴルフが今すぐ変わるというわけでもないでしょう?」と、言われたこともある。
そんな叱咤も激励も「成長のチャンス」と捉え、一身に受け止めて歩いた。
試合が終わっても、頭が休まる間もなかった。
自分たちのゴルフ界を少しでも良くしようという思いで心を一杯にして過ごした1年間。
おかげでいま、少しずつ「良い方向に向かって進みだした」という確かな手ごたえがある。
その分、本業で力を出し切れなかったことも否めない。
ショートゲームの達人らしく、サンドセーブ率賞でランク1位に輝いて、社団法人 日本ゴルフツアー機構会長から記念のトロフィと、カシオ計算機株式会社より副賞の「ソーラー電波腕時計 OCEANUS M800」を受け取りながら、忸怩たる思いも残る。
「僕自身はもう2年間も、勝ち星に見放されたままだから」。
選手会長として目標に掲げたのは「石川くんをはじめ、後生が夢を持てる舞台作り」だった。
その実現のため“営業努力”はもちろんのこと、まずは選手としていかに感動のプレーを見せられるかが鍵になる。
「来年は、僕も良いプレーをしてツアーを盛り上げます!」と締めくくった。















