朝から降り続いた雨はいっこうに止みそうになく、ほぼ１時間刻みで遅れていくスタート時刻。いつでもコースに出られるように、ロッカールームで秋山武雄トレーナーのケアを受けていた上田諭尉は13時に中止の一報が入った瞬間、短パンにＴシャツ姿でガッツポーズだ。

ムービングサタデーは、苦手だった。
「今年の課題でもあるんだけれど、僕にとっては魔の３日目。いつも中だるみしてしまって…」。

ツアー初優勝をあげた２００７年の東建ホームメイトカップでもそうだった。
強風の影響もあったとはいえ74のオーバーパーを打った上に、最終日には高山忠洋の猛追にあい、薄氷を踏む思いをしたものだ。

ましてこの日、直接対決する予定だった相手は片山晋呉。
前日２日目に思わずつぶやいた「明日、中止にならんかな…」との上田の願いが天に通じたのか。

「言っていたとおりになった」と、喜ばずにはいられなかった。

「２日間一生懸命やるよりも、１日だけのほうが全力投球できそうだから」と上田。
最終日は前半に３つ伸ばす「先行逃げ切り型」を狙う。
そして「後半にあと２つ」。
通算17アンダーなら、賞金王も振り切れそうだ。
「一球入魂で行きます」。

目下のいちばんの心配は、今晩の過ごし方。
「飲みにいくのは早いし、どうしよう…」。頭を巡らせながら、帰りの車に乗り込んだ。

※つるやオープンは大雨のため３日目が中止となり、競技は54ホールに短縮します。26日（日）の最終ラウンドで順位を決定します。
※最終ラウンドのスタートは、７時50分を予定しております。

• 上田 諭尉
• 高山 忠洋
• 片山 晋呉