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佐藤えいち「ウッズにも負けないように頑張りたい」

揃って全英切符を獲得して喜びを分かちあったチャンピオンのドンファン(右)は、李(左)のひとつ後輩でジュニア時代からの親友だ。
まだシード権すら持たない2人の選手が、初のメジャー切符を勝ち取った。最終日が中止となったことで、3日目に2位タイにつけていた佐藤えいちと韓国の李丞鎬(イ スンホ)が、全英オープンの出場権が与えられる今大会の上位4人に滑り込んだ。

今季ファイナルQTランク21位の資格で本格参戦1年目の李は「今は何も考えられない・・・。それくらい興奮しています!」と、喜んだ。

とにかく、いまは初めての日本ツアーで頑張ろうという気持ちしかなかった。
「だから、まさか全英に出場できるなんて。予想もしていなかった」と、打ち明ける。

年齢はひとつ上だがこの大会でツアー初優勝をあげたドンファンと同じ現役大学生。現在、韓国の明和大学3年生の21歳は「せっかくの機会なので本戦ではぜひ20位内に入りたい」と初のメジャー舞台に思いを馳せる。

一方、プロ10年目の佐藤には特に、ラッキーもあったかもしれない。
濃霧で中止となった最終日は5番ホールでボギーを打った。通算7アンダーの6位タイに後退して、一時“圏外”へ。
前日3日目と同様、355ヤードの打ち下ろしの7番でワンオンを狙い、巻き返しを図った。競技中断は、その直後のことだった。

もしこのまま中止になれば、全英オープンの出場権が転がりこむことは知っていたが再開を待つ間も気持ちは複雑だった。
もちろん初めてのメジャー切符は欲しいが、「まだ僕はシード権もない。4日間やって、優勝争いの中でもっと頑張ってみたいっていう気持ちもあったから」と、打ち明ける。

米ミニツアーや、米ツアーのニッサンオープンのマンデートーナメントに挑戦したことはあるものの、海外のレギュラーツアーはまったくの未経験。
そんな選手が、いきなりメジャーの出場権を手に入れて「他人事みたい」と、目をシロクロさせたのも無理はない。
毎年、徹夜してテレビで見ていたのは荒涼としたリンクスコース。
「まさか、あそこに自分が行くなんて。夢にも思わなかった」と、感嘆の声をあげる。

そんな、思いがけず転がり込んだメジャー切符はきっと、心こもったお守りのおかげに違いない。
大会2日目、数年前から懇意にしている岡山県・東児が丘マリンヒルズゴルフクラブのハウスキャディさんが応援に来てくださった。

そのとき「良いことがありますように」と渡して下さったのが、よつ葉のクローバーだった。
その翌日3日目に2位タイにつけたことをとても喜んで、「明日も探して持ってきます」と言って、この日最終日もまた、わざわざ届けてくださったのだ。

大事にスコアカードホルダーに挟んでスタートしていった。
そのご利益が最高の形で出た。

現在、ドライビングディスタンスで1位を走る新・飛ばし屋は折りしも、ややスタンスをクローズにし、低い弾道も打てるようにと模索中だった。
課題のショットが本場で生かせる。自慢の飛距離も披露できる。
「全英オープンでは、小さくても飛ぶんだってところを見せたい。ウッズにも負けないように頑張りたい」。
遠征用のキャディバッグにはもちろん、大切なお守りをしのばせていく。

佐藤えいち
1971年5月7日生まれ。東京都出身。父・保雄さんの影響でゴルフを始めたときから「飛んでいた」という生来の飛ばし屋は、明大中野付属中・高から青山学院大へ。卒業後にプロを目指して1997年に転向を果たす。
2001年の全日空オープンでデビュー戦を飾ったものの、昨年の日本プロまでツアー獲得賞金はゼロ。ファイナルQTランク12位の資格でようやくツアー本格参戦の今季は現在、ドライビングディスタンスで平均298.50ヤードを記録して1位につける。身長170センチ、体重80キロ。
登録名の「えいち」は、あだ名をひらがな表記にしたもの。本名は英智(ひでとも)。
モスバーガー所属。
  • 「全英オープンでは、小さくても飛ばせることをアピールしたい」と佐藤
  • R&Aの方から選手証を受け取って、「他人事みたい」と半信半疑ながらも佐藤はこの笑顔!

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