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サントリーオープンゴルフトーナメント 2006

谷昭範、ホールインワンを達成して2位タイ浮上

210ヤードの11番パー3で「完璧なショット」。ピン手前に落ちたのを確認し「ピンそばには寄っただろう」と、5番アイアンをバッグにしまっているときだ。
「入った、入った!」というギャラリーの歓声が聞こえたが、谷の反応は淡白だった。

日本ツアーでは2回目だが、アジアンツアーでも2度達成している。
プライベートに至っては、「14回か、15回か・・・」。
正確な回数さえ定かではない。
今年は、元日にもホームコースのオリムピックゴルフ倶楽部(兵庫)でやったばかりだ。

「もちろん、嬉しいんですけども・・・。僕はパットが上手い選手じゃなくて。ショットでスコアを組み立てるタイプ。波に乗るとピンに絡みだすほうだから、わりと慣れちゃってるのかな(笑)。ホールインワンよりも、2打へこんで上位に上がれたほうが僕的にはラッキーって感じ」。

通算6アンダー2位タイ浮上に喜んだ。

開幕戦の東建ホームメイトカップで3日目首位。5月のマンシングウェアオープンで2日目3位タイ。
今季の目標は、「優勝争いを年間5回以上すること。勝つときは時の運。数をこなしているうちに、そのうち優勝もくるだろう、と」。

狙いどころが絞られたフェアウェー。
生い茂る深いラフ。
「ショットのイメージが出しやすいから大好き」という総武で好機を伺う。

谷昭範たにあきのり
1974年10月3日。台湾で生まれ、15歳まで過ごした帰国子女。
小学3年から母親の勧めで始めた囲碁で、プロも目指したほどの才能を持つ。
小学校6年時に一時帰国して、院生になり石井邦雄・九段に師事しながら、その後わずか1年でゴルフに転向。
姉で女子プロの美稀子さんの影響で、自身もプロの道を目指した。
98年にプロデビュー。
翌年のブリヂストンオープンでハーフ29をマークするなどしたが、スイング改造に取り組んだこともあって、そのあと5年間は鳴かず飛ばずだった。
昨年のチャレンジトーナメントで2勝をあげ、同ランク4位の資格で今シーズン前半の出場権を獲得。
囲碁でも、ゴルフでも、とことん突き詰める姿勢は同じ。
「完璧なスイングはひとつしかない。大雑把ではなく理詰めで、ちゃんと答えを出したいというのは囲碁のときと似てるかな」。

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