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カシオワールドオープン 2003

ソフィー・グスタフソンはトップに立ったハーフターンで・・・

「まるで優勝したみたいだね!」
ソフィー・グスタフソンはトップに立ったハーフターンで・・・

歴史的第1打となったスタートの10番ティショット。集まった大勢の報道陣とギャラリーの視線は、た だ一点に注がれたが、グスタフソンの表情に動揺は見られなかった。

力みのない美しいスウィングで繰り出されたドライバーショットは右ラフ。「普段から、あまり緊張す るタイプではないので、今日の最初の1打も特に緊張することはありませんでしたよ」とサラリ。

179ヤードの12番パー3、8アイアンで1.2メートルにつけたのが初バーディだった。続く13番パー5では 、ティショットで283ヤード飛ばした。スプーンでグリーンそばまで運び、アプローチで5センチにつけ て連続バーディ。2アンダーのまま前半の9ホールを終えて、パッティンググリーン横のスコアボードを 確認したソフィー。その時点で単独首位に、思わずカメラを取り出しボードの前で、キャディのマーク ・フルチャーさんと記念撮影するあたりがほほえましい。

「今日はインスタートだったこともあり、ちょうどボードが“18番終了”になっていたんだ。『まるで 優勝したみたいだね、これでゲームが終われば、僕たち優勝だね』って笑いあったんだ」(フルチャー さん)。

雨脚が強まった午後から、8番のセカンドショットで手をすべらせたり、ティショットがラフにつかま り苦しんだが、ミスをアプローチ、パットで巧みにカバー。風の強いこの日は、2アイアンを使いこな し、飛距離の面でも、同組の倉本昌弘、横田真一を数ホールでオーバードライブするなど、男子選手た ちの度肝を抜いた。

「慣れれば、日本ツアーで毎週問題なく予選通過するばかりか、上位にいく実力がある」(倉本)。

「彼女がはじめトップにつけたときは、さすがにびっくりしたし、いろいろ考えさせられた(苦笑)。 日本ツアーで1年やれば、彼女なら、きっとシード権だって取れちゃうよ」(横田)。

後続組でまわった尾崎直道は、互角に戦える能力の高さを目の当たりして、「俺、完全に負けそうだよ ・・・」と、思わずため息をついた。

前夜は時差ぼけから、「3時45分に目が覚めてしまった」という。この日初日は寝不足に、あいにくの 悪天候も加わって、結局、2オーバーの68位タイまで順位を下げたが、まだまだ、チャンスはある。ツ アー史上初の女子選手の決勝進出は、翌2日目の結果次第だ。

「今日は早めに寝て明日に備え、ぜひ予選通過を目指したいと思います」と力強く話した。

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