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Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント 2022

新人の河本力。大会最年少初Vで一気に雪辱回収だ

3日目の“雪辱”を晴らすためにも、最終日はぜひとも、逆転のツアー初優勝を勝ち取りたいものだ。


首位と1差の単独2位で上がってきた新人の河本力(かわもと・りき)は、183センチの長身をねじって「恥ずかしいっ!」。

第3ラウンドのプレー後すぐに18番グリーンで行われたゴルフ×音楽の祭典「アプローチコンテスト」に、22歳の最年少で参加。

さっき回り終えたばかりの本戦では、左手前のバンカーから入ったか、というような絶妙の寄せを見せたパー5で、今度は参加6人中トップバッターで打った40ヤードのアプローチを大ホームランさせた。


段うえまで飛んだボールはトホホの計測15メートル10センチ。

「ちょっと…力入っちゃったみたい」と、現在、飛距離1位の小技試しは最下位に終わり、思わず顔を赤くしたが、肝心のムービングサタデーでは善戦できた。


この日5バーディに対して、2ボギーの「69」は、1日の目標スコアに設定している4アンダーには1打、及ばなかったがティショットを左奥のバンカーに入れた17番パー3では、「順目の下り」という難しいアプローチをフワっとあげて、ぴたりと止めて、3メートル残したパーパットもしのいで堪えた。


最後18番のバーディチャンスは同組の李尚熹(イ・サンヒ)のパットを参考に、まっすぐと読んだが、実際には「捕まってフックした」と首位獲りは逃したが、自身初の最終日最終組には入れた。


プロ初Vの大チャンスを前に、改めて悔恨するのはこの春、卒業したばかりの日体大4年時に、ひとつ後輩の中島啓太さんに悲願のアマVを譲った昨年9月の「パナソニックオープン」だ。


中島さんと共に最終組のひとつ前から出た最終日に「78」を叩いて最後は20位と惨敗。
後輩を称えるしかなかった。

「あのときは、アグレッシブを越える攻めをしていた。出来ないことを、出来ると勘違いした。切れそうなメンタルだった」と、今も悔いる。

「本当は言いたくないけれど。あのとき、啓太は異常に落ち着いていた」と、当時の後輩との明暗に、今も奥歯を食いしばる。


でも、そのすぐ翌週のABEMAツアー「TIチャレンジ in 東条の森」で史上4人目のアマVを達成できた。

「自分のほうが練習してるし優勝する実力はあることを証明できた」と、自信を持ってプロ入りを果たした。

アマで逃した栄光を、これから一気に回収する。


「順位とかは気になるので、ボードも見ますし、そういうのは気にするんですけど、バーディも獲れるところしか獲れない。出来ることだけをする」と、最終日こそ言い聞かす。

「アマチュアのときよりは自分の実力、今の状態を見極めることができるようになっている」。
22歳の初Vなら、2009年の池田勇太が23歳で樹立した大会最年少記録越え。
PGAクラスともっぱらな豪打で、土曜日の余興に失敗した分も回収する。


晴らしたい思いがあります

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