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SMBCシンガポールオープン 2020

”アニキ”から”父さん”に昇格。谷原秀人が3年ぶりの出場

16年から、日本とアジアの共同主管競技として始まったこのジャパンゴルフツアーの初戦「SMBCシンガポールオープン」は、3年ぶりの出場だ。

谷原秀人は若いころから海外志向が強かった。プロ5年目の05年には米ツアー参戦の経験も。
14勝を重ねた日本を飛び出し、欧州へと足を向けたのは17年。毎週のように、国境を超える旅の連続。年間30試合を超えるタフなスケジュールをどうにかこなして確保してきたシード権も2年目の昨年、ついに消失した。

世界を渡り歩いているうちに、40歳をとうに超えた。42歳を迎える今季はいったん、日本に腰を落ち着ける。

「少しいない間に知らない顔ばっかになっちゃったけど、オジサンも頑張らないとね」。
久々に、後輩たちの前に顔を見せた昨年末のジャパンゴルフツアーの年間表彰式では、とり囲んできた若手選手たちをつかまえ「しばらく留守にしていたら、もう仲間に入れてくんないんですよ、こいつら」。
戯れにボヤいた時には、慌ててフォローした藤本佳則が、「”お父さん”の席はちゃんと空けてあります!」。

東北福祉大に在籍したころから面倒見がよく、年下から慕われる存在だったが”アニキ”の呼称から、ついにお父さんへと昇格(?)。
「帰ってきたら、間違いなく彼らの”スポンサー役”だね」と、苦笑していた。
今週も、若手を束ねてシンガポールの夜を闊歩しているのか。

何にせよ五輪イヤーの今季、豪快で気風の良いベテランの帰還。
今大会は、初年度の16年に6位タイ、17年は9位タイと、2年連続のトップ10入り。
「そうなの…? あまり覚えてない」と、うそぶいたがコースとの相性は悪くない。

今大会の上位者に出場権利がある7月の全英オープンは、06年に6位タイにつけた経験も。
華々しいキャリアを誇るベテランが「また、優勝したい」。
初戦から、さっそく4年ぶりの15勝目をにらんだ。

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