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三井住友VISA太平洋マスターズ 2020

石川遼が目指す、隔離明けの大会3勝目

先月、米開催の「ZOZOチャンピオンシップ」からの自主隔離期間が開けたのが、ようやく前日10日。
「火曜日(10月27日)の午後、成田に着きましたので」とそこは律儀に、昨日はきっかり午後から会場の御殿場に向けて出発したので「最終スタートには、間に合わなかった」と、コースは回れなかったから、この日11日が練習ラウンド初日。

それでも、新コーチを起用してから、最初の練習日はほとんどクラブを持たずに歩いてコースを見て回る、というのが最近お決まりのルーティン。

アウトの1番からパターと60度のウェッジ2本だけ持って出た。
「強いて言えば、月、火でコースチェックできていればよかったと思うが、(自粛期間中も)ボールを打つことは、できていたので。今日はパターの距離感を第一優先に」。

2010年と、2012年大会のチャンピオン。
無観客の今年はシン…と、静かでも相変わらず大好きな御殿場。
コース攻略は、頭に入っている。
すぐ翌日に迫った初日に向けて、今年の芝感と、4日間のピン位置を想定しながら、グリーン周りを重点的に視察。

「今年は海外を行ったり来たりしましたけれど、毎回大きな収穫を得られた」。8月の全米プロから、メジャー2戦に出場。
特に、9月の全米オープンは、「コースも、難易度も最高峰。メモリーにもたまっていて、またPGAツアーでやりたいなと思っている自分としては、あれが基準になっている」。

御殿場コースのクォリティは、世界にも引けを取らないともいわれる。
「今日も”あのコースのあのホールに近いよね”とか言いながら回ってました」。
ラウンド数は限られてもこの2カ月で、脳裏にたっぷりと蓄積してきた米での収穫を大いに役立てながら、本戦に備えた。

今年はこのあと残り2戦も、無観客での開催が決まり「いつ、観客の方が入って盛り上がれるというのができるのか。これが今年の日常みたいになっているので、非常に寂しい…」。

ファンの視線は恋しいが、今週から海外に住むジャパンゴルフツアーメンバーが、少しずつでも戻ってきてくれた。
よりハイレベルのフィールドに、「日本オープンまでとは、また違った形になる。すごく久しぶり」と、海外の戦友らとの再戦には、心が弾む。

大会は、今年48回という歴史の中でも、3勝を飾ったレジェンドは、尾崎将司(73年、92年、94年)と中嶋常幸(85年、02年、06年)とリー・ウェストウッド(英、96年、97年、98年)の3人だけ。

特にウェストウッドの大会3連覇は、幼少期にテレビで見た覚えがある。
「3連覇は今後の自分のゴルフ人生で、できるかどうかも分からない数字なんですけど、同一大会の3勝というのは、目指して行きたいなと思います」。
今年は静かな御殿場を、偉業で賑わす。

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