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中日クラウンズ 2018

今平周吾がなかなか克服できない苦手なもの

昨日は星野。今日は今平。優作と小平と、石川の豪華競演のひとつ前の組で黙々とスコアを伸ばした。
最後のピンチも切り抜けた。石川は、またダボにした。
フェアウェイ左の改造バンカーに、周吾も入れた。
身の丈以上に深く口をあける、新たな砂地獄は「左足下がりで、アゴも高い。3打目勝負」と、迷わず出した。
3打目で、やっと5メートルに乗せたパーパットをねじ込んだ。
ボギーなしの65でまとめた周吾に、今季初の出演交渉がなされた。

男子ツアーを盛り上げたいのはやまやまでも、選手会長の石川遼が、発案したホールアウト後の公開インタビューは出来れば、行きたくなかった。
「その分、サインを一杯します」とのリーダーの懇願も、さすがに却下。
初めて立った“お立ち台”も昨年はツアー1勝を飾り、プロ8年目の今季もやっぱりぎこちない。
「人前で声を出すのが・・・あんまり好きじゃなくて」と、相変わらずぼそぼそと、オフはトレーニングで、シャツがはち切れるほどムキムキの肉体改造には成功しても、その点ではいっこうに、苦手を克服しようとする気配がない。

開幕前に、横浜のみなとみらいで開催されたゴルフフェアで、藤田とトークショーに参加した際にも、今平のあまりの口べたぶりに、かたわらで懸命に場を盛り上げようと苦慮する藤田の努力もむなしく終わって「これが周吾の強さ」と、言わしめたほど。

昨年は5位。大好きな和合。
「セパレートされていて、目標を決めて打てるところが好き。いくつか立ちづらいホールはあるが、そこを切り抜けられれば明日も良いのかな」と答えた。
その“立ちづらいホールはたとえばどこ?”との報道陣の質問にも「あんまり・・・言いたくないです」と、ここでもまたモジモジと煙に巻いたが、週末のV争いに向けて、外に弱点を明かさないのも実は駆け引きのうちか。
口べただが、一本筋が通っている。
59回大会を迎えた伝統の一戦に、23歳が挑む。
「歴史の長い大会で、凄い選手が勝っている。こういう試合で優勝できたら嬉しいですね」。
言葉少なに闘志をこめた。

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