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カシオワールドオープン 2017

石川遼が今季自己ベストの66

カシオ所属のホストプロが、今季自己ベストの66で、主催者を喜ばせた。目標の勝つためのゴルフはもっとずっと先になると思っていたが、大事なホスト試合に間に合った。「諦めてはいなかった。今日はタイミングよくこのスコアが出せた。感謝しています」。
最終日を前に首位と5打差の通算6アンダーは、ホストVも十分に狙える。

5期目のシード落ちを喫した米ツアーからの再生を期して、帰国初戦の日本オープンから試行錯誤を重ねてきた。
自己ワーストの5週連続予選落ちも記録した。「石川遼は“どこまで悪いんだ”と。心配していただきましたし“どうしたどうした?”と。そういう空気を感じてました」と恐縮した。
「でも自分の中ではこれはもう、覚悟の上でやっている、と」。

実に6試合ぶりに、やっと今季初の決勝ラウンドに進んだのが先週。ダンロップフェニックスで、最終日には今季初の60台を出すなど、それまでは「ほぼ0%」という手応えが、「先週時点では、30〜40%」に上昇。
今週に入ってさらに「10〜20%くらい上がった。初日は強い風の中でも良いアイアンショットが打てたしドライバーも、昨日の内容ではパットが少し決まってくれればこういうスコアになるかなと思っていた」と、この日はL字から、4年ぶりに変えたというピン型のパターもハマった。

「ヘッドの形状が違うだけで、動き方が変わってくるのでそれに任せて。オートマチックに打てている」と後半の6番、7番では5〜6メートルの連続バーディで66を出した。

「つい3週間前までは、7オーバーとか打ってた選手ですから。ゴルフって面白いですね」と可笑しそうに、「今まで見て見ぬ振りをしていたスイングの欠点。それを乗り越えた先に何があるかを知りたい」。

先週の火曜日には中嶋常幸も交えて、松山と練習ラウンドをした。メジャー制覇を視野に、こちらもまた試行錯誤を始めた同学年の戦友と、久しぶりにじっくりと話し込む中で、その悩みもまた世界基準だと、改めて感じ入るものがあった。

「こんな風に取り組んでいる日本人がいるんだな、という。まだ誰も踏み入れたことのない域にいる。ヒデキの話を聞いていると、自分は本当にまだまだ。世界のトップはこういう感覚で、やっているんだと勉強になった」。

最終日にホールインワンを達成して、今季唯一の国内戦を締めくくった松山は「1ヶ月に何万球も打とうと思います」。
つい、6週ほど前に石川が言ったセリフを真似して去ったが「きっとそれは皮肉」と、張本人は苦笑した。

「1ヶ月に何万球も打ってもこの成績ですかっ?!て。そんな感じなんじゃないかな? ヒデキの練習量は凄い。体力も凄い。体重も30キロは違うし、自分はヒデキにはなれないし、自分は自分でどう立ち向かっていくか」。
この日もまた、ホストプロは海の向こうに陽が落ちるまで、練習場に居座った。

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