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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2016

谷原秀人はなるか。“神ってる”大逆転の賞金王

賞金2位には勝ってどうかの賞金レースも最後の1日を前に、悲劇が起きた。
227ヤードの18番のパー3には、確かに魔物が住んでいた。
ティショットは「狙い通り」と、あえて左のバンカーに置いた。そこから2打目は、グリーンの急なスロープを使い、手前まで転がり落ちてくる手はずが「まさか、上で止まると思わなかった」と、奥から高難度のパーパットが残ってしまった。

「ラインもわからなかったし、まっすぐ打って、どっちに切れるか。思っているのと違った。ちょっとスライスした。ラインが読めていない」と、最初の倍ほど行きすぎた返しのパットが今度は届かず、この日3度目の3パットで、ダブルボギーに沈んだ。

この日は序盤から3パットのボギーが先行した。2番で6メートルから行ったり来たりすると、3番ではわずか、1メートルほどをまた、カップの回りで3度、行ったり来たりを繰り返した。

さらに、8番のボギーも「まっすぐだと思ったのがスライスした。ラインが読めていない」と、この日もまたグリーン上で苦しんだ。

スタート前も悩んだ。「ピンタイプを使うかどうか」。迷ってこの日はひとまず、従来のマレット型で通したが、「良かったのかどうか」。そもそも、道具云々よりも、「ラインが読めていないから。何を使っても、入らないと思う」と、このシーズン最終戦で、勝つことだけが条件の賞金2位は、ついに今年最後の1日を前に、追い込まれた。

首位の小平とは実に6打差。最終日を前に、賞金王が遠ざかる。
「これで、逆転できたら相当“神ってる”」。
今年の新語・流行語大賞を生み出した。愛する地元・広島カープの快進撃ですら成し遂げられなかった。“日本シリーズ制覇”で最後の最後に奇跡を起こせるか。

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