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ダンロップフェニックストーナメント 2016

怪物?! 世界ランク21位の飛ばし屋。ケプカが4打差首位に

この日、同組で回った池田の言葉が言い得て妙だ。「化け物だよ・・・!」。185センチに85キロ。世界屈指のロングヒッターは、この日も飛ばしに飛ばして、入れに入れた。

デビューしてから最初の主戦場に選んだ欧州では13年に、平均318.2ヤードでドラコン1位に。
「確かに僕は飛ぶけど、パットも上手い」と初来日してすぐのアピールも、この2日間は当てが外れた。
「昨日まで、タッチが合っていなかった」と急ピッチの調整で立て直すと、「彼が打つときはカップがバケツみたいにでかく見えた」と池田も証言したとおりに、どこからでも入れてきた。

また、どこからでもグリーンに乗せた。2番で右の林からバーディチャンス。14番では林の奥の、むき出しの土から手前まで運んで、難なくパーを拾った。どんなに高い松林に立ちはだかれても、木々よりさらに高い球でピンを狙った。

ボギーなしの63を出した。3日目にして、通算15アンダーに到達した。大会の最多アンダー記録は19。
「明日は、ぜひ更新したいね」とニヤリと、この日の後半のインコースも「29を出すつもりだった」と、最後の18番パー5も、もちろんイーグル狙い。

しかし、2打目はボールの右側に泥がついていたといい、2オンに大失敗。グリーン左サイドの速報ボードの裏に打ち込み、救済を受けて、ドロップした場所がまた悪かった。
「木の根っこに気づかなかった」と、バンカーショットの要領で、脱出を試みたが根っこを強打。
「グリーンはオーバーしてしまうだろう」と想定した最悪の状況は、最高潮の幕切れに。
「どういうわけか、スピンがかかって、乗ってくれた」。
かろうじて、右カラーで止まった7メートルのバーディパットは、これまたカップに吸い込まれるように消えた。

欧米ともに1勝ずつ。今年9月には、ライダーカップの米国選抜にも選ばれ、スター街道を駆け上がる真っ只中の26歳。
宮崎牛を楽しみに、来日する直前には米「シュライナーズホスピタルforチルドレンオープン」で2打差の2位。
好調のまま、「明日もリードを持って、良い位置で迎えられる。このまままた良いゴルフができればいいな」。
この勢いでいけば、初来日Vは決まったも同然か。

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