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日本オープンゴルフ選手権 2016

松山英樹が単独首位に

今年のマスターズで優勝争いを演じた男が最終日を前に、単独首位に踊り出た。
プロ初出場の舞台で、初の日本タイトルを視野に入れた。
3日目も1万人を超えた。この日もスタート前の練習場から大ギャラリーに追われて奮戦した。3日目にして、やっと大観衆の期待に応えるプレーで魅せた。
自身も首位の背中を猛然と追いかけた。

左奥からイーグル逃しのバーディを奪った9番からの5連続バーディは、10番でチップイン。左奥のラフに打ち込むピンチを一転、チャンスに変えた。「あれはラッキー。大きかった」と次の11番で、ついに首位を捕らえた。
12番では1メートルのチャンスを逃さず13番は、完全に右のラフに埋もれた60ヤードの2打目を2メートルにつけてこのとき、2打差の単独首位に立った。

14番のパーセーブでは、この日初めてのガッツポーズを握った。右の林に入れた2打目は危険を承知であえて果敢に前を向き、6番アイアンでバンカーを狙った3打目。寄せきれず、3メートルと距離を残した窮地も切り抜けた。

アダムと、石川との直截対決ではおとなしかったこの2日間。
石川も、この日の松山には「驚きの一言。僕らとの2ラウンドが、練習ラウンドだったのかな・・・」と、同学年の“日本代表ペア”のそんな感想には思わず笑って、「毎日、全力でやっています」。大マジメに返した。

10年と12年の東北福祉時代に今大会で2度のローアマに輝いたが、2013年のプロ転向から数えてこれが、大会初出場だ。12年の日本学生では、ここ狭山を制した。アマ時代の思い出が一杯詰まったコースで、「明日も、ショットが悪いなりにまとめられるように。しっかりとパッティングを練習したい」と、この日も陽が暮れるまで、練習グリーンでボールを転がし続けて、そのあとサインを求める長蛇の列にも辺りが暗くなってもまだ根気よく、ペンを走らせ続けた。

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