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関西オープンゴルフ選手権競技 2014

週末は観戦ツアーか決勝か。髙橋勝成が二重人格に!?

63歳の揺れる思いは続いていた。「もう出ることはないだろう」と、タカをくくっていたレギュラーツアーは実に9年ぶりの出場にもかかわらず、イーブンパーで上がってくれば、「いやまさか」と首を振るしりから、沸き出してくる勝負魂。

「ボギー叩けば、ムカっと来るし、予選通過もしたくなる」。
自宅からコースまで15分もあれば着くという地元プロは80回の記念大会に、主催者から出場のオファーを受けて、迷いに迷いながらも「お手伝いが出来るなら」と、やってきた。

週末には、ギャラリーを対象にした観戦ツアーのガイドプロにも抜擢されて、「あくまでもメインはそちら」と、割り切っていたつもりだったが「クラブを握ると二重人格になる」。

いつも謙虚な大ベテランも、難易度2位の16番パー3(180ヤード)は、アゲンストの風の中で4番アイアンを握り、右1.5メートルにつけて圧巻のバーディを奪えば「他はボギーが多い? ・・・みんな下手だね!」と、おどけてそんな本音も。

「なんかね、変なんですよ、コースに出ると。自分の気持ちがコロコロ変わるっていうか」と笑ったとおりに、「いや、僕は週末にね。ギャラリーの方を連れて歩くというのをやらなきゃいけない」といいながらも、「明日は、楽勝でアンダーパー」。強気になったり、弱気になったり大忙しの大ベテラン。

でもこれだけは一貫している。「騒がしたいのよ、お客さんを」。
それだけに、久しぶりにレギュラーツアーに来て思うことは、「みんな、もうちょっとギャラリーのみなさんと、楽しくやれないものかな?」ということ。
「声援の応え方ひとつにしてもね、なんかもっとこう・・・アピール出来ないか、と」。シニアツアーほど和やかにとは言わないけれど。「もっとお客さんに楽しんでもらえるように考えないといけないんじゃないかなあ」と、そんなことをラウンド中にも考えているくらいだから、「僕も、こうなったらもっともっと騒がしたいなあ」と、すっかり味をしめて欲が出てきた。
そのためにも、まずは勝負の翌2日目。キャディの息子さんと二人三脚で、六甲山を大いに賑わせるつもりだ。

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