Tournament article

Indonesia PGA Championship 2013

谷原秀人は「また残念賞です」

スタートこそ笑顔も見えていた串田さん(左)だったが・・・
苦笑いで引き上げてきた谷原は、「まーた残念賞ですよ」。最後の18番は本当に惜しかった。2メートルのバーディパットはカップの端をなめて、わずかに行きすぎた。

アテストを済ませたその直後に、最終組で回る首位の崔虎星(チェホソン)がボギーを打って、その時点で通算17アンダーにしたから、なおさら「自分も入れておけば」との思いが募る。

「いやあ、タイよりも悔しいですね」。
前回の「タイランドオープン」は、日本人最高位とはいえ10位タイ。超ハイスコアの戦いは、首位と大差がついていたから諦めもついたが今回は、ほんの少しで手が届くところに勝利が見えていたから、さすがのプラス思考もついタラレバが出てしまう。

大混戦の最終日は本人にとっては特に波乱の1日だった。
前夜、ベッドで寝返りを打った瞬間に感じた腰の違和感。
「ぎっくり腰寸前」。

そしていざこの日は、15番でまさかの“棄権”。といっても、もちろん本人ではなく、キャディの串田雅実さん。
すでに練習日の水曜日から、全身の痙攣など体調不良を訴えていた串田さんは、この日も朝から食欲がなく、心配した谷原は串田さんに日傘を差すように勧めるなど、常に気遣いながらのラウンドにもとうとう限界が来た。

熱中症の症状に、14番で串田さんがギブアップ。

大ピンチの谷原を救ってくれたのが、藤本佳則らをケアするトレーナーの飯田光輝さんだった。
快くピンチヒッターをつとめてくれた飯田さんには、実は前夜にも救われた。

腰の痛みを訴えた谷原の部屋に、高山忠洋のトレーナーの秀島正芳さんとともに駆けつけ、2人がかりの救急治療。
「2人ともチームが違うのに僕を助けてくれて・・・本当にありがたかった」と、感謝した。
「今週、飯田さんにご飯をごちそうしておいて、本当に良かった」と、笑った。
優勝こそインドネシアでも逃したが、恩人にも恵まれて初戦から2週連続のトップ10入り。

「悔しいけれど、これを次の国内戦につなげていきたい」。
今回、取り逃がしたツアー通算10勝目は、ぜひ日本で・・・!!

  • 谷原が最終ホールで絶好のバーディチャンスを外して悔しがる横で見守っていたのは
  • トレーナーの飯田さん。串田さんのピンチヒッターをつとめてくれた飯田さんは予選ラウンドはやっぱり倒れた小田孔明のキャディさんの代わりをつとめるなど大活躍だった

関連記事