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ANAオープンゴルフトーナメント 2013

昨年覇者が復調の兆し【インタビュー動画】

この日の輪厚は強い風。針葉樹の枯れ葉が舞い踊る強風は、職人肌のベテランでさえ、「嫌でしたね」。前半はボギーが先行したからなおさら、翻弄された。
6番で2つめのボギーを打ち、今は本調子でないとの自覚があるから「もう2つ3つ、ボギーが来てもおかしくない」。

ひそかな動揺も押し隠して、立て直すきっかけは目の前の新人だった。この2日間、同じ組で回った松山英樹は「クラブが閉じて下りてくる動き。遼くんもそうだけど、良い選手には必ずある。スクエアに入ってくる感じ」とそれが、藤田の感性と合致した。

「英樹は世界クラスの選手。凄すぎて、参考にはならないけれど」と、謙遜しつつもそれでも、「英樹を見ていると、イメージが出てくる部分がある」と、即座に取り入れる柔軟さ。
「それまでは、スイングの形をイメージしていたけど、クラブの動きを意識するように変えた」と7番で一転、反撃のチャンスだ。
3メートルのバーディで、「悪い流れが止められた」。後半に入って、12番では265ヤードの2打目をスプーンで15メートルに乗せたのが、これが決まった。イーグルで、勢い付いた。
「英樹も長いのを入れて来るので。負けられない」と21歳への対抗心もメラメラに、15番では7メートルのバーディトライを沈め、17番ではまたもや15メートルをねじ込み、首位と2打差の3位につけた。

「調子が良くないのに結果を求めると、空回りをする」と大きなことは言わないが、連覇に向けて、じわりと好位置で折り返した。「今は悪い中でも、自分がどこまでやれるかが課題」と、チャンスは目前でも、相変わらず静かに自分との戦いに徹する。

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