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三井住友VISA太平洋マスターズ 2012

松山英樹さんが7位浮上

20歳のアマチュアが、連覇に大いなる可能性を残した。最終18番で、昨年の優勝シーンの再現かと思わせるピンそば1メートルのイーグルで締めくくった前日2日目。首位とは8打差の27位タイで決勝ラウンドに進んだ。この日はコースに出る前に、東北福祉大の阿部靖彦・ゴルフ部監督に言われた。
「今日は64で回って来い!!」。
「…そのつもりで回りましたが、無理でしたね」と、苦笑いもこぼれたが、ほぼ“指令”どおりの66。

再び最終ホールで魅せた。ティショットを右のラフに打ち込んだ瞬間に「レイアップだな」といったんは諦めたが、ピンまで224ヤードの2打地点まで来たら、気が変わった。
「思いのほかライもよかった。フェードをかければ行ける」と、迷わず4番アイアンを握った。
今度はグリーン右奥のラフに打ち込んだが、5メートルのバーディトライをねじ込んだ。
プロばりのガッツポーズに、同組の深堀との“グータッチ”も堂に入った。

プロですら、緊張するからリーダーボードを見ないという選手もいる中で、松山さんは「勝つか負けるかの勝負。見ないでどうする」と、たとえ自身の名前が一番上にあっても「気持ちは何も変わらない」と、頼もしい。
「最後狙える位置にいるのに、ボードを見ていなかったら狙わずに終わってしまうかもしれない。最終的に優勝を目標にやっているので。勝たないと意味がない」と、力強い。
予選ラウンドで松山さんと回った中嶋常幸も言っている。
「彼の向こうに世界が見える。目標とするところが非常に高い」。

もっとも昨年は、自信満々で迎えた最終日。「調子も良かったので」。
しかし今回は、「不安を抱えて迎える」。ショットの距離感が合わない。「それは左右に曲がるよりも気持ち悪い」。パッティングも前日2日目のホールアウト後に原口鉄也や薗田峻輔ら、先輩プロに指導を受けて、「ちょっとしたことですけど、今日はアドレスと立ち方を変えて、それはハマリましたけど、明日はどうなるか分からない」。
暗中模索のV争いで、勝てば史上初の快挙達成だ。



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