コンビ復活するなり、好発進だ。インスタートのこの日は、上がりの７番から３連続バーディで、３位タイにつけた。「ずっと試合が続いているから、体はちょっと“ちかれた”」と、このときばかりは上手なはずの日本語も、体調もいまひとつでも、相変わらずショットの調子は「ハンパじゃない」。
あのときの勢いは、そのままだ。

３週前の「ＶａｎａＨ杯ＫＢＣオーガスタ」で悲願のツアー初Ｖをアシストしてくれたキャディの岡本史朗さん。
「でも先週は、僕がクビになった」と冗談めかして笑う金。

先週は、女子ツアーの日本プロゴルフ選手権で、岡本さんには年の初めから“先約”があった。
もちろん、金もそれは了承済みだったが、大事な相棒不在の試合で、出遅れた。

最終日の第３ラウンドで盛り返してトップ10には入ったが、「やっぱり岡本さんがいないと」との思いを強くした。
「今週は大丈夫です。岡本さんが戻ってきてくれた」と、さっそく絶妙のコンビネーションで、好発進にも成功した。

金が初優勝をあげた翌週のフジサンケイクラシックで勝った金庚泰（キムキョンテ）が優勝会見で言っていた。
「ヒョンソン選手は韓国ではとても有名人。日本での初優勝には少し時間がかかったけど、これからいくらでも勝てる選手です」。後輩の賞賛を、あとから伝え聞いた先輩は「キョンテ、優しい。愛してる」と、照れ隠しにおどけたがまんざらでもない。

今週は「大好き」な北海道で、好物の毛ガニに舌鼓み。「ちょー美味しくてしびれました。北海道はハンパない」と、ノリノリの金の背後をたまたま通りかかった日本選手たちもやんやの声援。

丸山茂樹や近藤共弘らが、金の絶好調ぶりをして「ハンパねぇ〜！！」。
金の口癖で、はやしたてられますますノリノリ。「明日からまた頑張ります」と、いっそうその気になった。

• 金 亨成
• 金 庚泰