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ダンロップフェニックス 2010

谷原秀人が単独首位に(初日)

トム・ワトソンや昨年覇者のエドアルド・モリナリら、世界ランカーを眼下に見下ろし、初日に首位に立ったのは谷原秀人だ。

もっとも本人は、強豪を向こうに回して威勢の良いことが言えるほど、万全の状態ではない。

夏場に痛めた左肩はまったくといっていいほど、改善の兆しは見られない。
ホールアウト後は毎日、アイシングをしたり、電気を当てたり、懸命の治療の甲斐もなく、あとはもう、完全休養を取るしか方法はない、と分かってはいるが、「痛くならないようスイングしたら、出来ちゃうのでつい、出て来ちゃう」。

ボールの位置を、今までより5〜6個分離して置いて、なおかつ2割か3割の力で振る。それで痛みはかなり軽減するが、その打ち方を初めてまだ1ヶ月。
慣れない分、ショットが散らばりこの日も「ピンチは山ほどあった」というが、いきなり右の林に打ち込んだスタートの1番やバンカーに入れた2番や9番も、グリーンの左に外した10番でも良いパーを拾い、ボギーなしの5アンダーで上がって「ショットが悪い分、今日はアプローチとパターに集中出来た。ピンチも全部入れたし、ラッキーでした」と、白い歯を見せた。

先週はアジアと欧州共催のバークレイズシンガポールオープンに出場。しかし最終日がサスペンデッドとなって、競技は翌日の月曜日まで持ち越された。
その日のうちに帰国して、夜中にいったん自宅に戻り、火曜日は朝9時の飛行機で、会場入りした。
強行軍は、なおさら患部に堪えるが、前日17日は水曜日の晩に、やはりここ宮崎で、秋季キャンプ中の福岡ソフトバンクホークス率いる秋山幸二監督と食事をした。

もともと、東北福祉大の後輩の藤島豊和と交流があった縁で、昨年から谷原も電話をしたり、付き合いが始まったが「ゆっくり話をさせていただいたのはほんとうに久しぶりで」。
怪我との付き合い方や、治療法など「為になるアドバイス」を得て、モチベーションも上がって初日を迎えたという谷原が、大会は8年ぶりの日本人チャンピオンとして、まずは名乗りを上げた。

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