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世界に挑戦! 谷原秀人

今回の遠征に同行した内藤コーチ(右)と本番前の調整に余念がない
先月の欧州ツアー「ドバイデザートクラシック」に続いて、今季2戦目。世界ランク86位の資格で、欧州とアジア共催の「バランタイン選手権」に参戦する谷原秀人は本戦を控え、調整に余念がない。会場の韓国・済州島にあるピンクスゴルフクラブは、台風並みの強風が吹くことで知られている。
会場入りした月曜日はアゲンストの中、9番アイアンで100ヤードも飛ばなかった。呆然とする谷原のかたわらで、球を打っていた母国出身の金庚泰(キム キョンテー)が平然と言った。「そんなの、ここでは当たり前。もっと凄い風が吹く日もあるよ」。

しかし、翌日にはウソのように風は止み、逆に頭を抱えてしまった。
「1週間、クラブ選択に悩まされそう〜!!」。
しかも、本戦から悪天候の予報が出ているとかでシビアな戦いが予想される。
またグリーン上も一筋縄ではいかない。
目の強い芝目に、「読んだとおりに転がってくれない。順目と逆目で、まったく別の転がりをすることもあって。下り傾斜なのに思ったより遅いとか、上りなのにものすごく行っちゃったり・・・ワケわかんないッスよ!」と悲鳴をあげた。

難コンディションの上に、いまは自分自身の中にも不安が一杯だ。
今年はプロギアと新しくクラブ契約を交わしたり、敏腕コーチの内藤雄士さんと組んだり、いろんな意味で挑戦の年。
オフのこの時期はいつものハードなトレーニングの合間をぬって、急ピッチでクラブのセッティングを進めている真っ最中でもある。
また、内藤さんから突きつけられるスイングの課題は膨大で「あまりにも多すぎて。まったくついていけてないのが現状です」と、苦笑する。

本人は半信半疑だが、今回の遠征に同行した内藤さんは太鼓判。
「いいえ、それでも着々と良い方向に進んでます。もちろんまだまだ調整段階ですが、その中で今週、谷原くんがどんな結果を出してくれるか。とても楽しみです」。

今大会は、一昨年の全英オープンチャンピオンの欧州のパドレイグ・ハリントンや、母国の英雄K・J・チョイらも顔を揃える。
強豪ひしめくフィールドで、日本ツアー開幕直前の腕試し。
「不安は一杯だけど、それを吹き飛ばす結果を残したい」と、気合を入れた。

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