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Shinhan Donghae Open 2026
韓国から始まる“ハムスケ”の快進撃
師匠が言ったとおりだった。本当に機は熟していた。砂川公佑(すながわ・こうすけ)が、韓国でプロ7年目の初勝利を達成した。

1打差の単独トップに立ったきのうの夜、シニアプロの寺西明(てらにし・あきら)氏は、電話の向こうで「勝ちそうな気がするわ」と言った。
地元兵庫の滝川第二高校1年時に、ひょんなことから教わることになった恩人だが、当時はまだトップアマで君臨されていた時。
「明らかに凄い球を打っていて…」と、一目で心酔。「お願いします」と以後、一緒に練習させてもらうことになるのだが、寺西氏がふいに「プロテストを受けるわ」と、言い出したのが2015年、49歳の年。
あれよと一発合格を果たすと、50歳の2017年からシニアツアーで5勝、2020年には同賞金王にも輝くなど「そこからめきめきと結果を出されていった」と、その生きざまも含めて寺西氏への尊敬は増すばかりだ。
技術面はもちろん、寺西氏が説く精神論がより身にしむようになったのは、砂川も2020年にプロ入りしてから。
「お互いプレーヤーで、ずっと試合もやっているので、優勝争いの気持ちを話し合って、こういうモチベーションがいいよな、とか」。
年齢差やステージの違いはあってもプロの舞台で戦う者同士の会話は理解も深い。
「無理はいけないが、守り過ぎてもボギーを叩く。攻めるところは決めて振り抜く。メリハリが大事」との共通項は、攻めてパーを拾ったこの日の8、9番や、2打差で入った最後、池がらみの難しい18番のプレーもそう。
「バーディ、ボギーだったら並んでしまう。逃げすぎても勝てない、という話も師匠とよくしますので」と、最後まで攻め切っての寄せワン・パーセーブで逃げ切った。

ほぼ丸1日、首位を守り抜いたきょうこそ師匠と重ねた座学が生きた。
先日、一緒に練習した際にもショットの状態を褒められた。
「それもきょう、自分で行けそうな気がしていた要因です」。
師匠のV宣言どおりに快勝し、日ごろの恩に報いた。
「きょう、わざわざ奥さんが会場に足を運んでくれて、優勝できたのもよかったです」。
大観衆の前で照れもしないVスピーチに、24年に結婚した妻・香里さんがポロポロ泣いた。

朝いちばんの国際線できゅうきょ飛んできた。
幼少期に飼っていたというハムスターと、名前の公佑(こうすけ)の「公」を「ハム」とバラけて、本人は自身のインスタのアカウントを「ハムスケ」と名付けたが、6歳上の奥さまは「こうちゃん」と、呼ぶ。
家では香里さんを「姫」と呼び、愛犬を「小姫」と称して“2人”を「ヒメズ」と呼ぶ家族思いの夫は、ことゴルフとなると思慮深く、「常に不調の原因を考えて諦めない。それが成長していった要因と思います。最初はあまり振るわなかったので、私も不安がありましたが1年ごとにステップアップしていきました」と、香里さん。
表彰式に臨む夫を涙ながらに喝さいしていた。

韓国でついに悲願を達成した砂川だが、実は今季の大本命に掲げていたのは次週の「ANAオープン」だった。
お世話になるスポンサーさんが、開催コースの「輪厚(わっつ)」で競技委員長をなさっているそうで、「その方から優勝杯を受け取るのが目標です」と、再びのV宣言。
そして、それ以上に忘れてはならないのが会場の北海道が、香里さんの出身地であることだ。
「来週は、帰省がてら私も一緒に行きます」と、香里さんも“凱旋”を楽しみにされている。
「本当に北海道にはゆかりがある。今週、勝てたので。いい流れで2連勝したいな」。
ここ韓国から“ハムスケ”の快進撃が始まる。














