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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2025

細野勇策が2打差2位「羽川さんも喜んでくださると思う」天才レフティが記録を残した舞台で好発進

今季、または通算ツアー未勝利で頂上決戦の出場を決めた選手は、欧州ツアー選手の中島啓太(なかじま・けいた)を含めて13人いる。
そのうち宋永漢(ソン・ヨンハン)と、小木曽喬(おぎそ・たかし)細野勇策(ほその・ゆうさく)の3人が、初日のトップ3を独占した。

うち22歳のレフティは、昨季1勝の小木曽と共に、2打差の2位タイにつけた。細野勇は、通算を通してもまだ優勝がない。



「どの試合でもそうですが、勝ちたい」。
今季最終戦での悲願達成へ、おのずと思いは高まる。

この日は4番で、バンカーからホームラン。そこから寄らず入らずのダブルボギーがあったが、その後6つのバーディ(2番も足すと全部で7つ)で、あっさりとかき消して上がった。

特に最後、屈指のパー3で魅せた。
ピン左6メートルに乗せたバーディトライは、左利きで言うところの急激なスライスライン。
「2メートルは右を向いた。相当曲がった。思ったよりグリーンが速くて外れたらけっこう行った。ラッキーが強かった」と、見事なバーディ締めで歓声を浴びた。

本大会は、賞金24位(最終結果は23位)で初出場を果たした23年以来となる2度目の出場。
前回の経験も踏まえて学んだ18番攻略のコツは、「バーディを獲るために、バーディを狙わないこと」、だそうだ。

「まずはパーオンして打ちやすいところに置くのが一番。明日もしっかりパーを狙ってやっていけたら」。
初日の好発進にも浮かれず、気を引き締め直した。

今年9月の「フジサンケイクラシック」で最終ラウンドを首位で出たが、16番パー3で池に4回入れ、+8の「11」を叩いて21位で失速した。
今季は全試合に出場して、予選落ちは1回だけ。
「それが自分が目指しているゴルフなので。そこはすごくいいかな、と思うんですけど、取りこぼしも多いので。それをなくしていけたら、もっと上で戦えるんじゃないか」。

今度こそ、プロ5季目の初Vを目指して猛練習中だ。

「ゴルフして、食べて寝て、またゴルフをして」。さしたる趣味もなく、ひたすらゴルフに没頭し、たまの空き時間に見るYouTubeもゴルフのレッスン動画。
以前、韓国で行われた試合で、オフィシャルバスでの移動中に、堀川未来夢チャンネルを見ていたら、後ろの席にたまたま本人が乗っており、「直接聞きなよ」と、笑われた。

以来、ときどき生レッスンも受けられるようになった。
「特にパター。マネジメントもすごいので、だからトッププロなんだろうな」と、先輩プロから懸命に技を盗み続ける。

本大会は、レフティ選手の羽川豊氏が、1981年に23歳と363日の大会最年少Vを飾った試合(※現在は23年の蟬川の22歳326日が年少記録)。
「僕もここで勝てれば羽川さんも喜んでくださると思います」。

羽川氏が通算5勝目を飾った1991年の「ダイドードリンコ静岡オープン」以来のツアー日本人レフティVも実現する。
会えばいつも励ましてくれる左利きの大先輩にも、何よりの報告ができる。


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