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7季連続曲げない男が年の瀬にお詫び「今年もまた稲森か、と…」来季以降もネタ満載!

今月5日の「ジャパンゴルフツアー表彰式」で、稲森佑貴(いなもり・ゆうき)は内心、恐縮していたそうだ。

2位を10%以上も引き離す78.660%は、自身の最高記録を2季連続で塗り替える偉業も達成(※1参照)。


※1)稲森のフェアウェイキープ率推移
2022年=78.660%
20-21年=77.630%
2019年=69.390%
2018年=73.690%
2017年=70.830
2016年=71.660(※2005年の井戸木鴻樹の当時歴代最高70.32%を更新)
2015年=69.610


7季連続7度目のフェアウェイキープ1位で表彰を受けたが、共に登壇した顔ぶれは、すべて各部門で初受賞を果たした選手ばかりだった。


2022年ツアー部門別データ


「これだけ連続して獲れるというのはなかなかないこと…」との自負はあっても、「フェアウェイはまた稲森かと思われたのではないか…。もういい加減、皆さん飽きたでしょう」と、申し訳ない気持ちで記念のトロフィーを受け取った。



プロ6年目の2015年に初受賞を果たしてから各メディアの取材が殺到した。

「曲げない秘訣」を聞かれるたびに、お父さんが経営する練習場でヤーデージ看板を狙い打ちして遊んだ幼少期の思い出や、目標物に照準を合わせて打つ際の独特のターゲット取りなどを惜しみなく披露してきたが、それも7度続けば底を尽きた感がある。

「さすがにもうネタ切れです…」と、苦笑交じりに嘆息した。


特にここ数年は、「過去の自分にオウム返しをしているみたい」と、本人はマンネリ感にさいなまれていたようだが今年はフェアウェイキープのほかにも、ボギーなし記録を19年ぶりに更新するなど(※2参照)ネタに事欠かない1年だった。


※2)稲森のボギーなし記録詳細
・9月「ANAオープン」3Rインスタート18番~翌週「パナソニックオープン」FR3番=85ホール連続
・横田真一の2003年「ANAオープン」2Rインスタート14番~翌週「アコムインターナショナル」2Rインスタート6番=83ホールを更新(1999年以降のデータ)



通算3勝目を飾った5月の「中日クラウンズ」で「日本オープン(2018年、20年)しか勝てない男」の異名を返上すると、6月の「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」ではフェアウェイキープ92.857%の超精密ショットで大接戦を制した。


今年はほぼどの試合にも観客のみなさんが戻り、2020年2月22日に籍を入れ、昨年末に式を挙げた奥さまにも初めてVシーンを見せられたことも、稲森家にとっては外すことができない重大ニュースのひとつとなった。


「中日クラウンズ」で頂いた水素自動車「トヨタMIRAI」など、希有なV副賞にも恵まれた1年だった。

今季2勝目を挙げた「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」では「「サトウのごはん 4000食分」に加えて最多バーディ賞の1年分もゲット。



当面は1年ごとに1年分ずつ自宅に届けていただけることになっており、今年分はまずVキャディの芳賀和希(はが・かずき)さんに進呈。Vシーンを大号泣で盛り上げてくれた恩人に真っ先に報いた。 ユウキとカズキの友情V


そのほか、地元でお世話になった方々にお裾分けしたり、転戦時の非常食として携行させていただくほか、各所にチャリティする予定で現在、調整中だ。

「プロゴルファーとして社会貢献できるのもスポンサーのみなさまのおかげ。改めて感謝申し上げたいです」と、登壇を待つ舞台袖でも頭を下げていた。


7季連続7度目の受賞スピーチでは、司会の岩瀬惠子・アナウンサーが絶妙のネタ振り。

「10年連続で獲れたらフェアウェイキープ率1位を“稲森賞”にしてもらえないかと話されたんですって…?」。

「冗談で言ったことだったのですが…」と、恐縮しながらシーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の会場で、堀川未来夢と盛り上がった夢物語を披露。 

本人はマンネリを気にした受賞シーンだったがゲスト席では楽しげな笑いも起きた。


稲森佑貴「10年続けて獲ったら“稲森賞”にしてもらえません?」7季連続曲げない男の野望 (ゴルフ日本シリーズJTカップ初日)

稲森佑貴「目標は80%」レジェンドから受けた命題を胸に(パナソニックオープン2日目)


今季開幕前に元祖“曲げないレジェンド”の井戸木から託された「フェアウェイキープ率80%越え」の大偉業も夢ではない。

「今年挑戦してみて、完全に不可能という数字ではないということが分かりましたので。大変な道のりではありますが、来年もぜひ挑戦してみたいと思います」。

日本一曲がらない男は、来季以降も曲げないネタで満載だ。


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