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SMBCシンガポールオープン 2016

谷原秀人が「やるからには!!」

初日の午前組は順当な滑り出しとなった。暫定首位は5アンダーで回った南アフリカのキース・ホーンら2人。世界1位のスピースは、1打差の暫定3位につけた。また通算4アンダーでスピースに並んだ安秉勲(アンビョンフン)は、世界ランク26位の韓国の新星だ。居並ぶ世界ランカーたちに、食らいついたのは我らが谷原。早朝は7時40分のスタートから、大技小技ともに冴え渡った。

今年は米ツアーの「ソニーオープンinハワイ」から、打ち方を変えているというスイング。「より手元を低く、ダウンスイングでインサイドからのダウンブローを目指している」と、より安定感を出す狙い。
「それが徐々にしっくり行きだしている」と、前半は的確にグリーンを捉えて、得意のパットも、5メートル前後のチャンスが面白いように決まった。

前半最後の18番では、足だけ外に出して打つやや不自然な姿勢からのバンカーショット。急勾配のグリーンに向かってぴたりと寄せた。前半は5バーディで、頭一つ抜けて折り返しただけに、後半の失速は「残念ですね」。

インスタートのこの日。セントーサゴルフクラブのアウトコースは、落としどころの狭いホールが多い上に、この日はシビアなピン位置に、「段から2,3ヤードずれちゃうと、落ちて行っちゃう」と、うねるグリーンに、ボールはことごとく転がり落ちて、四苦八苦。「順目と逆目に、傾斜もあり、その辺の読みがまだまだ。グリーンはもっと慣れが必要です」。

最終9番も、奥に落とした3打目を、寄せきれずにボギーの幕切れ。日傘で観戦中の絢香夫人も残念そうに、小さなため息。夫人の父親の会社がここシンガポールにもオフィスを構えており、今週は家族で応援に来てくれた。
アジアと日本ツアーの共同主管で行われる「SMBCシンガポールオープン」は、父の威厳を示すにも、うってつけのこの舞台。
しかも、世界1位の男も来ている。初日から好発進したスピースを睨み仰いで「上の選手も来ているし、やるからには」と、やっぱり日本ツアーの意地を見せたい。
セントーサ島は、カジノやユニバーサルスタジオなど、家族サービスにはうってつけのエンタテインメントが山盛りだが、お父さんはぐっと我慢だ。「暑いけど、これからまたちょっと練習しますわ」。したたる汗もぬぐわず、昼からまた練習場に向かった。

※なお28日に開幕した第1ラウンドは、雷雲接近のため18時39分にサスペンデッドとなりました。このためアウト9組27人、イン10組30人の計57人がホールアウト出来ませんでした。
第1ラウンドの残り競技は、29日金曜日の7時30分から再開します。また同日に、引き続き第2ラウンドを行います。

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