日韓対抗戦「「MILLION YARD CUP（ミリオンヤードカップ）」」はいよいよ最後のシングルスストロークプレーで日本はもはや、１点も無駄に出来ない。崖っぷちの最終日。10人のサムライが、ようやく目覚めた。

「お前ら、絶対に勝って戻れ」。

そんなキャプテン青木の命を受け、前半こそ若い代表３人が、早々に勝ち点を持ち帰った。
藤本佳則が、「今日は緊張で、自分じゃない自分がいた」。それほどの重圧にも耐えた。18番も「しびれた」という渾身のパーセーブで、崔虎星（チェホサン）を下した。

石川遼は、１アンダーに「内容的にはもう少し行けた」。しかし、団体戦で内容にこだわるのは単なるエゴだ。「今日やるべきは、目の前の相手に勝つこと」。勝負に徹してぬかりなく、相手の隙を突いた。無用な攻めもない。無理もしない。20歳の最年少メンバーが、大人のゴルフで趙珉珪（チョミンギュ）を楽々とかわした。

池田勇太は、Ｉ・Ｊ・ジャンと「殴り合い」。前半は、互いに一歩も譲らない。「ジャンさんが、入れてもまた入れ返してくる」。若大将の火がついた。９番から圧巻の７連続バーディで、ジャンを引き剥がした。取りも取ったり10バーディで、連敗のダブルス戦の借りを返した。

韓国チームの曺泰雲（チョテウン）キャプテンは、あとからひそかな胸の内を明かした。２日目までの大量リードも、「あと１日あったら、私たちは負けていたかもしれない」。それくらい、日本チームの追い上げはすさまじかった。
キャプテン青木も「これで面白くなってきたぞ！」と、胸を躍らせたのもつかの間だった。

反撃もここまでだった。
若い３人に挟まれた中堅２人。２組目の谷原秀人が洪淳祥（ホンスンサン）に５打差で破れ、５組目の高山忠洋がＨ・Ｗ・リュー（リューヒュヌ）に、２打差で負けた。早々に、日本チームの連敗が決定した。

最終結果

• 藤本 佳則
• 崔 虎星
• 石川 遼