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カシオワールドオープン 2008

初シード入りを狙う佐藤えいちが2位

13番で、グリーン手前のラフに埋もれた難しいアプローチを直接入れて、12番に続くチップインバーディ。しかし、「入ったことよりボギーにしなくて良かったという気持ちのほうが強かった」。

いまはあまりゴルフの調子が良くないそうで、「ボギーを打たないように、ということだけ気をつけてやっている」という。
だから、この日はバーディの数を数えることもなく、むしろ後半の17番でティショットを右の斜面に打ち込んで、この日初ボギーに悔しがる。

全ショットを謙虚に、慎重に。
好スタートを切った。

現在賞金ランク88位は、上位70人に食い込めば初シード入りが実現する。
そのためには今大会で単独3位以上が絶対条件だが今週は、先々週の状況より気分的にはまだマシという。

11月11日から4日間の日程で、岡山県のJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部で行われたクォリファイングトーナメント(QT)のサードステージに出場した。
来季のツアー出場優先順位をかけた戦いは、「ここで落ちると来年は浪人になる」。
そんな切羽詰まった思いでなんとか6位に入り、来月のファイナルQTに駒を進めた。

あのときに比べれば、一発逆転の初シード入りをかけた今週は「まだ楽しくやれる」と佐藤。
回転すしで300貫(約150皿)を平らげたこともあるという根っから明るい大食漢は、全英オープンで初メジャーを踏んだ昨年も今大会でシード権争いの渦中にいた。

結局89位で惜しくも逃した2007年を思い出し「なんだか僕は、記者のみなさんに囲まれる大会が決まってますね!」。
そういって笑う様子には、悲壮感はまるでない。

<佐藤えいちプロフィール>
1971年5月7日生まれ。東京都出身。13歳のとき、父・保雄さんの影響でゴルフを始める。明大中野付属中・高の先輩に深堀圭一郎。青山学院大卒業後にプロを目指し、1997年にプロ転向を果たした。
2001年の全日空オープンでデビュー戦を飾ったものの、昨年2007年の日本プロまでツアー獲得賞金はゼロ円だった。
今季はファイナルQTランク34位の資格で参戦。
「えいち」は登録名で、本名は「英智(ひでとも)」。
デビュー当時は同じ名字の佐藤英之がツアーに参戦しており、スコアボードには「佐藤(英)」と表記されることが多かった。「どっちのことか分からない」との周囲からの声に2003年には、小さいころから呼ばれていたあだ名を平仮名で表記することにした。

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