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ダンロップフェニックストーナメント 2008

石川遼「最後まで誰が勝つか分らない展開にしたい」

6番から連続ボギー。7番は最大のピンチだった。フェアウェイバンカーの右横30センチに落ちた第2打は、まともにスタンスが取れない。「両足をバンカーに入れちゃうと、ボールが腰より上に来るくらいの状態」。

いっそ逆に構え、最近始めた左打ちの素振りの成果を試そうか…。
思案の末に、結局ボールの後方付近にスタンスを取って、グリーン方向にカット目に打つ方法を試みたがこれが失敗。

うまくヘッドに当たらずに、真横に跳ねた。転がり込んだ林の中は、いよいよ八方塞がりの状態に、背後のギャラリーからは「どこにも打てるところがない」との絶望的な声が…。

「でも上があるんですよ」と、笑顔の石川遼。
驚異の17歳は木の上にわずかに空いた横40センチ縦2メートルの隙間を見逃さなかった。
ピッチングウェッジの高い球で脱出。
残り100ヤードの第4打を奥3メートルにつけたがこれは外れた。

さらに9番でこの日3つめのボギーを打って、一度は1アンダーまで脱落したが「まだ諦めるスコアじゃない。1アンダーで回ってる選手で諦めている選手は一人もいない」と自身を奮い立たせて「巻き返そうじゃなく、もう一回新しいスタートという気持ちでやろう」。

みごとに息を吹き返した。
332ヤードの13番パー4はこの日は右からのフォローの風。
左林のショートカットで果敢にワンオンを狙っていった。
ボールはキャリーでグリーン奥にこぼれたが、楽々バーディ。
最終18番は奥からスライスの難しいイーグルトライを外したが、返しの1メートルをきっちりと沈めた。
通算4アンダーは3位タイに踏みとどまって「大事な3日目をクリアしたかな」と、胸を張る。
首位とは4打差に「明日は最終組を追い上げて、最後まで誰が勝つかわからないような展開にしたい」と話した。


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