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東建ホームメイトカップ 2008

石川遼「気持の高ぶりはある」

本戦前日とは思えない。グリーン周りを何重にも取り囲む人垣は、まるで最終日さながら。輪の中心には16歳が満面の笑顔。石川遼が、ツアーでの初仕事でさっそく大貢献だ。
ジャパンゴルフツアー開幕戦「東建ホームメイトカップ」のプロアマトーナメントに出場し、大勢のギャラリーを引き連れてのプレー。

「この大会は毎年、水曜日からたくさんのお客さんが来ると聞いていたのですが、まさかこれほどとは…」と、本人も面食らう盛況ぶりも、女優の萬田久子さん、俳優の渡辺裕之さんらと記念撮影に興じたり、ナイスプレーでハイタッチを交わしたり…。
いつもの“遼スマイル”と和気あいあいのラウンドで、大会前日の会場を盛り上げた。

ギャラリーの大声援に無邪気な笑顔で応える一方で、いよいよ翌日に本番を控え、打ち明けたのは正直な胸の内。
「…気持の高ぶりは、やっぱりあります」。
そんな緊張を少しでも和らげてくれるのは、「自分はこれだけ練習してきたのだから」という自信だ。
「普段から良いスイングをいっぱいすることで、試合中にも良いスイングができると思うから」。
このオフは、胸を張ってそう言えるだけの練習を積んできた。

もちろん、はじめから思い通りにいかないであろうことも、承知の上だ。
「良いショットを見せようと思っても、ギャラリーのみなさんを残念がらせるショットもきっとある」。そんなときこそ16歳は、ファンとの一体感を大切にする。
「一緒に悔しがったり、一緒に楽しんだり…見てくださるみなさんが、“石川遼”になったような気持になれる。そういうラウンドにしたい」と抱負を語った。

そして、デビュー戦の目標は「目指すなら、高いところ」と石川。
「3日目を終えてベスト5にいられたら素晴らしい。最終日は最終組…。それに近い目標を持って回りたい」。

大会初日、注目のティオフは12時30分。
ディフェンディングチャンピオンの上田諭尉と、歴代優勝者の藤田寛之と10番ティからスタートする。
正午まで、空いた時間は「ジョギングで体を温めたあと、ストレッチをして朝食を取って…いつもどおり、スタートの1時間20分前には練習場に入りたい」。
プランも万全に、いよいよ本格的なプロ生活のスタートだ。



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