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つるやオープン 2007

田中秀道が今季初の60台をマーク

最後の一人までサインをする姿勢は、渡米前のまま
つらいときこそ、ジャンボの言葉が身に染みる。それは10年以上も前のことだった。ふいに言われた。
「10対0の9回裏で、三者三振みたいなゴルフはするな。バントヒットでもいいから、なんとか10対1にして終わっとけ。そういうゴルフを続けていたら、いつか運がついてくる」。

どん底のときこそ、丁寧なゴルフをする。
そこから、きっと何かがつかめる。

ジャンボの教えは、ずっと田中の心に息づいていた。
そして、今こそ実践するときだった。
この日最終日も再三、ティショットを曲げた。
そのたびに、ギャラリーのささやき声が聞こえる。
「あれぇ。田中があんなところから打ってるよ」。
恥ずかしさをこらえて、真摯にコースと向き合っている。
「ジャンボさんは、言っていた。どんなときも丁寧にプレーをしていたら、神様はきっと見ていると」。
この日たたき出した68。今季初の60台が、その何よりの証拠かもしれない。

「クラブのフィーリングはとても良いが、スウィングのリズムが合わない。体が、一瞬動かなくなって、タイミングが合わない」と、倉本昌弘に相談したのはこの日の朝。
すると「俺もそんな時期があった」との返事が帰ってきた。
「それこそレディース用のような柔らかいシャフトで練習してみると、テンポが合いだすよ」と、教えてくれた。

さっそく、次週にも試してみようと田中は思っている。
ベテランの声をかき集め、いま懸命に復活への糸口を探している。

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