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コカ・コーラ東海クラシック 2007

石川遼くんは2オーバーの36位タイスタート

1ホールを丸ごとスッポリ包み込む大ギャラリーにも、いまや時の人となった16歳には、プレッシャーの種にすらならない。むしろ、「名古屋の人は、ゴルフがよく分かってらっしゃるのはもちろん、選手と同じ気持ちなってくださる方ばっかりで。きわどいパーセーブに『ナイスパー!』とか、一緒に喜んでくださるのが嬉しかった」と、このツアー3戦目ではその雰囲気を心から楽しむ余裕すらある。

確かに緊張はしていたが、それは同組のプロのせい。

コロンビアのカミロ・ビジェガスは「いつも、BSで見ているPGAツアーの選手」。
そんな選手と、いままさに同じ舞台に立っている。
「本当に一緒に回るんだ・・・。そう思ったら、緊張して体が硬くなってしまった」と石川くんは言う。

しかし、それもスタート前に解消した。
練習場でビジェガスの姿を見つけるや、歩み寄って挨拶。
「あなたに出会えてとてもうれしい」と英語で伝えると、たちまち気持ちがほぐれた。

そのビジェガスは出だし2ホールでボギーを打って、刻みに転じた。
「スプーンで打っても、ドライバーとほとんど飛距離が変わらないところとか、ボギーを打ってもそのままスコアをズルズル落とすどころか伸ばしていくところがやっぱりスゴイ!」と無邪気に舌を巻きながら、本人はどんなピンチに陥っても、次のホールではまた必ずドライバーを握って躊躇なく振り抜いた。
いつもの大胆不敵なプレースタイルを、変更することはとうとうなかった。

17番で左にOBを打つなど、この日ダブルボギーは2つ。
しかし、そのたびに直後のホールできっちりと取り返して、奪ったバーディは5つ。
「今日のプレーは70点。この難しいコースでも、アンダーで回れる可能性があると分かったから」と、満足そうだ。

2オーバーは36位タイに、「明日で終わるのと、あと3日間やるのとでは自分にとって大きな差がつく」と、予選カットを意識しつつ、「でも、意識しないで明日もガンガン行く。明日はバーディを5個以上取る」と、相変わらず元気一杯だ。


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