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KBCオーガスタ 2007

宮本勝昌が首位を死守

2日連続で64をマークした予選ラウンドがウソのように、勢いはピタリと止まった。この日3日目は11時40分にスタート。気温はとっくに30度を超えていた。照りつける太陽は、容赦ない。湿度は68%。玄界灘からの海風もほとんどなく、この3日間でもっとも過酷な日だったといえるかもしれない。

「体力には自信がある」と、豪語していた。それだけに、ガンとして暑さを理由にすることを拒んだが、ホールアウト後に頭痛を訴えて、しばらく氷でクールダウン。
熱射病の症状が出ていたかもしれない。

そのせいもあったのだろうか。「今日は、体がギクシャクしていた」。1番でティショット左に曲げた。「体が止まっていた」。
気持ちのせめぎあいもあった。
2位に4打差つけてのスタートに「攻めたいけど守りたい。守りたくないけど、攻められない」。
気持ちの収まりがつかない。「昨日までと、同じつもりでやっているのに・・・。ゴルフって、ほんとうに精神的な部分が大きい」と、つぶやいた。

そんな、行き場のないメンタル面が如実に出た1日は最後に最大のピンチを迎えた。

560ヤードの18番パー5。ティショットは左のOBゾーンに消えた。
打ち直しの第3打はピンまで残り243ヤード。
2番アイアンでどうにか届かせたものの、その先のカップまでは13歩。
「2パットのボギーを覚悟した」という15メートルのパーパットはしかし、思いがけず転がりこんだ。

「本当はガッツポーズしたいところだった」と振り返る。
しかし、自分でもわけのわからない羞恥心がそうさせなかった。
「嬉しさ半分と、なぜだか恥ずかしさも半分。“どーもスイマセン”という感じでしたね」と、苦笑いを浮かべたが、この「OBイーグル」のパーセーブは「最低だけど、最高の上がりです」。

試練を乗り越え、1打差の首位を死守。
「・・・やっぱり、そろそろ勝ちたいですからね」。
4年ぶり6度目のチャンスはぜったい誰にも渡さない。

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