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Hitachi 3Tours Championship 2025

JGTOでも大活躍したシニアの藤田と宮本が証言「男子も女子もレベルが違う」

大会は、今年20回目の節目を迎えた。
これほど長く、3ツアーを支えてくださる主催者のありがたみと共に、大会の歴史と変遷をどの団体より子細に見て来たのがシニアのPGAさんだ。

特に、今年シニアツアーで3年連続の賞金王に就いた宮本勝昌(みやもと・かつまさ)と、今年は米シニアのチャンピオンズツアーを転戦してきた藤田寛之(ふじた・ひろゆき)は、男子のJGTO時代にも本大会への豊富な出場経験を持つ。


ステージパフォーマンスも息ぴったり


宮本はJGTOでの4回と、PGAとしては昨年、一昨年と2年連続で米シニアのチャンピオンズツアーの予選会に挑戦したため、“初出場”となった今年とで計5回を数える。

JGTOでの3回と、PGAでの4回を足して通算7回目の藤田とは、2010年大会でもペアを組んでJGTOの4勝目(当時)に貢献。

その年、MVPに輝いたのは、当時19歳の石川遼(いしかわ・りょう)だった。

宮本が38歳で、藤田が41歳。特に藤田は40代での勝ち星が、それ以前を越し、賞金王にも就く(2012年)などレギュラーツアーでお互い脂がのり切った時期である。

当時を知るからこそ、時代の流れを感じる。
「あのときとは、男子も女子もレベルが全然違う」と、宮本はいう。

この日、一緒に回ったJLPGAの河本結さんと、神谷そらさんのショット力。

「神谷選手の飛距離には本当に驚いたし、2人ともにセカンドショット以降が本当に上手い。地面が! こんなに地面からが上手いんだなと思いました」と、脱帽した。

また、JGTOの蟬川泰果(せみかわ・たいが)と米澤蓮(よねざわ・れん)のパワー。



「こんなに寒いのにあんなに早くクラブが振れるのか、と。今の選手が300ヤード飛ぶって言うのがわかる」と、嘆息した。

この日は、冷え込みと、1日中降り続いた雨が追い打ちをかけた。
「シニアは雨降るとか、霧雨とか、寒さとかで2割は飛距離が落ちる」と、宮本。

「…さっきは2.5割、25%は落ちると言ってましたが?」と、藤田が笑いながらツッコミを入れてきた。

シニアの面々は、大雨による9ホールの競技短縮で8ポイントにとどまり最下位に。
「ハーフだけじゃ苦しいですよ。3ツアーは3日でも4日でもやりたいくらい」と、駄々っ子のように宮本はいう。

キャリアが長い分だけとうぜん絆も深くなる。
師匠の芹澤信雄を介して、長年の“兄とおとうと弟子”同士、久しぶりにコンビを組めた。
「宮本さんと出られてよかったな」と、藤田は感謝。アメリカ帰りであまり体調もよくなく、当初は本大会の出場を迷っていたそうだ。

でも、宮本から3度のオファーを受けて決断。
その話が盛りに盛られて、いつのまにか宮本が藤田宅を3度も“日参”したと噂になった。
「ちょっと…話が大きくなってますね。電話です。宮本さんから電話が3回くらいきましたね」(藤田)と苦笑しながら修正を入れたが、それほどの信頼関係も、共に長く第一線で過ごしてきたからこそ。

大会の第一の趣旨である、子どもたちのためのチャリティも、シニアツアーを代表して仲良く2人で贈呈式に臨んだ。



この20年で、チャリティ総額は4億6000万円を優に超えた。
先輩たちが率先して続けてきた活動もお手本に、その精神はこれからも脈々と受け継がれる。


JGTOメンバーも、先輩たちを見習い、プレー後に地元ジュニアへのサインサービスに励みました

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